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緊急インタビュー  前号への反論

「福祉センターは市民全員に必要なもの」
「つくる会」メンバーら

 本紙前号の「話題の現場」で、建設計画中の「総合福祉センター」について取り上げたところ、同センター設立を目的に17年以上活動してきている「所沢に総合福祉センターをつくる会」から「記事内容に偏りがある」との指摘があった。同会メンバーは「福祉センターは一部の利用者のためのものではなく、市民全員にとって必要なもの。そこを誤解してほしくない」と主張する。事務局メンバーに話を聞いた。

 ――記事中、どこに誤りがありましたか。
 「全体としては内容は間違っていません。ただ、建設反対側の意見に乗って書いている印象を受けます。私たちは17年以上もこの問題にかかわり、市の担当者や歴代の市長と話し合いを重ねてきました。書く前に私たちの意見も聞いてほしかった、というのが本音です」

 ――ご意見を伺う前に、どういう団体なのかを教えてください。
 「『所沢に総合福祉センターをつくる会』といって、1994年から活動しています。ボランティア団体、障害者団体、高齢者グループなど市内の約50団体がかかわる会で、毎月1回の話し合いを続けてきています。この1月で会合は160回を数えました。2000年に市に提言を行った『(仮称)所沢市総合福祉センター建設検討懇話会』に加わったメンバーもいますし、自分たちで言うのもなんですが、この件に関しては、決して『一部の市民』と解されるような“軽い”存在ではないと思います」

 ――記事への異論を。
 「まず、経緯に誤認がある。1994年以降、ずっと市民と行政の話し合いは続いており、確かに建設場所が二転三転しましたが、『塩漬け』した後に話が『突如再燃』――というのは言い過ぎです。そもそもこの建設計画は、今年度から始まっている第5次所沢市総合計画前期基本計画の中で『今後4年間に重点的に取り組む事業』としてはっきり示されています」
 「次に、これが最も言いたいことですが、総合福祉センターは一部の利用者のものなどではありません。現在の素案では、子ども支援センターや世代間交流のための機能も持たせる内容になっています。確かに、ボランティア活動などは今ある公民館や体育館でやれるはずという意見はありますが、ボランティア活動では特殊な機器が必要なこともあり、拠点がないと厳しい。30万人を超える市なのだから、福祉の中心を担うセンターは不可欠と考えます」

 ――ボランティアの活動拠点の話をもう少し具体的に。
 「例えば、市内で点訳のボランティア活動が30年以上も続いていますが、点訳を作るのには、場所も機材も必要です。そのたびに公共施設を予約し、機材を持って移動するというのでは、活動側の負担が大きすぎます。点訳をする書類は多様で、電車のダイヤ改正があれば時刻表を作るし、個人的な買い物に伴う取扱説明書などもあります。目の見えない人たちにとっては、どれも重要な情報です」

 ――総合福祉センター自体について、改めて伺います。なぜ必要なのか、どういうものが求められるのか、主張をお聞かせください。
 「理想を述べればキリがないですが、一言でまとめれば、福祉の中心を担うセンターが必要ということです。今は関係ないと思っていても、福祉というのは、ある日突然必要になることがあるものです。そんなとき、『あそこに行けば何か分かるはず』と思える場所があると、安心ではないですか? ですから、社会福祉協議会の事務局を置いたり、相談窓口を置くなどして、市民の福祉ニーズを一カ所である程度解決できる機能を持ってほしいと思います。また、それらは災害時にも役立つはずです。去年の東日本大震災でも、障害のある方々の避難に関して課題が多く生じています。災害時は、同じ障害のある人同士が集まって避難したほうが、彼らも安心できるんです。そういう人たちの避難先としても、センターは重要なはずです」

 ――市民の関心の低さ、また、20億円以上の建設費についてはどう考えますか。
 「市民の関心が低いのは、私たちも各種データから承知しています。福祉は必要な人しか関心を持たない類いのものです。でも、必要になったときに不平を言っても遅いんです」
 「また、建設費のことですが、それは私たちには答えかねます。私たちは確かにセンターを求めていますが、学校の跡地でもいいし、できるならどこでもいいと思ってきました。むしろ問題は、お金を理由に機能の一部が切り捨てられていく懸念です。私たちはつい先日も、計画したものは必ず最後まで実行してくださいと、市にお願いをしてきたところです」
 (回答者 同会会長代行・一木昭憲さん、事務局・沼尾孝平さん、同・小幡育子さん)
 ※前号の記事は、こちら


―総合福祉センター建設をめぐって―
 総合福祉センターは旧生涯学習センター(泉町1861の1)に建設予定。スケジュールは調整中。高齢者、障害者、ボランティアなどの福祉活動(及び受益)の拠点となる福祉センターのほか、子ども支援センター、社会福祉協議会などが入る案が挙がっている。
 本紙では前号で、建設への疑問の声があるとして、@一部の利用者のために話が進んでいるのではないか、A財政状況からみて大規模な建設物が必要なのか、B事業規模に対して市民の認知度が低い――といった指摘を行った。



(取材記者:谷隆一、2012年2月上旬)

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