運転席から、ステージへ
演歌歌手 藤原浩さん(西東京市在住)
「北国の春」、「高校三年生」などの作曲家として知られる遠藤実さんの最後の内弟子として、1994年にデビュー。同年には、「メガロポリス歌謡祭」新人賞を始めとする数々の賞を受賞している。
30歳の時に遠藤さんの元へ弟子入りした。歌手の夢を追いかけ、トラックドライバーからの転身。ラジオで流れる演歌を口ずさんでいたのがきっかけだ。
「実は、23歳の時に遠藤先生が主催するオーディションに出て、先生から直接『東京に出て歌手にならないか』とお誘いを受けていたんです。でも、その時はどうしても決心がつきませんでした」
当時、母が糖尿病を患い、合併症によって視力をなくしていた。曾祖母と高校生の妹もいる。「大黒柱は自分なんだ」と長距離トラックドライバーとしての生活を続けたが、歌への思いは次第に強くなっていく。
母が入院し、妹が嫁ぎ、一人暮らしの環境に変わったことも決断の背を押した。遠藤さんの楽屋へ1年間通い、土下座で思いを伝える。その熱意が認められた。
「たった一度の人生だと思ったら、夢を捨て切れなかった。遠藤先生や先生の奥さまを始め、いろいろな人に助けられながら、ここまでやって来られました」
西東京市にある総持寺(田無町3の8の12)とは縁深く、同所で30日に開かれる盆祭りでは「田無のお盆です―藤原浩歌謡ショー」を開く。 昨年にデビュー15周年を迎え、つややかで伸びのある歌声は円熟味を増す。
◆ふじわら・ひろし 1960年生まれ。岡山県出身。公式ホームページ
