お葬式……古き良き慣習と新しいスタイルが融合する、人生最後のお見送り。ひゅうドロドロドロ……うらめしや……
突然ですが日本の怪談話に登場するヒロイン、幽霊さんの姿をちょっと思い出してみてください。おつむに三角の布、付いてませんか?
あの布、一体なに? 何のために? 今回は死者の旅姿のお話です。
さてこの三角形、呼び方もいろいろです。天冠(てんかん)・三角頭巾(そのまんま)・額隠し(ひたいかくし)・ノツ帽子、等々。
実は装着方法も地方によってさまざまです。珍しいところでは秋田県地方、死者は額につけ、なんと近親者は後頭部につけるそう。
そしてこの謎の布の起源と意味にも諸説紛々、これという決め手となる答えがないのが現実です。禅宗説、菩薩説……民俗学では、三角形はあの世の使いとさ
れた「蛇」をモチーフにしているとも言われ、はたまた三途の川を渡る亡者の列に入り込む、いわば死者の目印だという説もあります。
さらには「閻魔大王に失 礼にならないように冠をつけて正装をしなければいけない」「死者が地獄のタタリから逃れるために」「身分の高さを冠で表現した」――。
ここまでくると、意味なんかどうでもいい感じをも醸し出してます。
本来は旅支度、死装束(しにしょうぞく)と呼ばれる物の一部で、手元には手甲(てっこう)、足元は脚絆(きゃはん)と足袋、わらじを履き、首からは三途 の川の渡し賃として六文銭の入った頭陀袋(ずだぶくろ)、利き手に杖、一方の手には編み笠と、想像以上の重装備です。布ものは全て白で統一されていること から天冠で身分の高さを、という見方もできますね。
いずれにしても日本独特の物だということは明らかです。あれつけたドラキュラや狼男、あまり見たことありませんから。最近では真っ白な経帷子(きょうか
たびら)を嫌い、生前好きだったお召し物を着せて差し上げることがとても多くなりました。やはり長旅ですから、気に入ってる一着のほうが気分良く出発でき
そうですね。
◆今回お話しした「旅支度」は、当社店頭にて実物を展示しております。ご興味のある方事前にお電話を頂いた上でご来店いただければご覧いただけますよ。
お気軽にどうぞ。
(2012年2月下旬)
ご葬儀に決まりはありません。自分らしさやその人らしさが一番大切です。
先日のお式は、まさにそれを形にしたものでした。
亡くなられたのは6歳の女の子です。ご両親は私に会うなり、こう告げられました。「お葬式にしたくないんです」。
よく伺うと、こういうことです。
ご両親いわく、彼女は6年間、一生懸命に生きました。たくさんのお友達にも恵まれ、とても楽しい時期にお別れを言わねばならなくなったのです。その人生最後のイベントはお友達と楽しく過ごさせてやりたい。だからお葬式なんて湿っぽいことではなく、みんなで楽しく過ごしてほしい――。
「自分らしさを大切に」と言い続けてきた私ですが、さすがに「楽しいお葬式」は初めてです。ご両親と再三打ち合わせするなかで、方向が定まりました。
式の骨子は無宗教お別れ会です。しかし、主役は子どもたち。会場にハートの風船を飾り、お料理は巻き寿司をメーンに、ポテトフライ、から揚げ……、綿あめやソフトクリームも出します。
さらに驚くことに、ご両親はバルーンアートの大道芸人もご要望になりました。式の最初に芸人さんのパフォーマンスを入れたのです。
お式当日。初めのうち大人のご弔問者は顔を引きつらせていましたが、思い出の写真スライドショー、棺を囲んでの合唱などを終えると、会場は和やかな雰囲気に。保護者の方々から「こんなお葬式は見たことがないわ。こういうの良いわねぇ」と声をかけていただきました。
このお式の場合、私でさえ、「それはちょっと……」と戸惑うことがありました。でも、故人を一番よく知っているお身内のご提案に、間違いなどあるはずがないのです。
人の数だけご葬儀の種類があります。仏事はもっと自由に考えてみてもいいはずです。
(2011年11月17日)
はじめまして。
そして、ようこそ「あしたばの杜」へお越しくださいました。これから月1回のペースで、コラムを連載いたします。
私、小社代表の岩田と申します。このたび、荒れ果てた葬儀業界から満を持して(ちとオーバーですが…)新設させていただきました。まずは自己紹介を兼ねて、弊社の経営理念をご説明させていただきます。
三者相繁栄
どんなに収益の高い企業であろうとも、利益のみを追い求めれば、おのずとその繁栄は限界を迎えます。第一にお客さまが喜び、第二にそれを支えてくれる専門業者様や当社のスタッフが潤い、その結果として初めて自社の利益を語れるのだと思います。
そして適正な利益を上げて企業として存続させ質の高いサービス提供を維持する…このことこそ社会的使命であり、消費者の利益に繋がると心得ます。早い話が「おかげ様」。これが当社の経営理念です。
ところが、実際の葬儀の現場はどうでしょう。
「ご臨終です」の合図から、2、3時間後には、ウン百万の葬儀の見積もりが出来上がってしまいます。問題はこの中身です。外国語より意味不明な単語と数字のオンパレード。およそ納得とは程遠いものになる可能性が大なのです。
主婦の皆さん、近所のスーパーのトイレットペーパーやダイコンの値段にはすこぶる敏感です。でも、棺一本の価格相場はほとんどの方が知りません。どんなご家庭にも、誰にでも必ずやってくる「不幸」に対しての値段をもっと知っていただきたいと思います。
当社では、全ての価格開示をするとともに、いろいろな意味での「情報のバリアフリー化」を目指します。それこそが、お客さまの喜びにつながると確信しているからです。そして何よりも大切なのは、価格ではなく「送る心」であることを常に言い続けていきたいと思っております。
(2011年10月20日)