2017.07.27 この町この人

【この町この人】 町中に子どもの居場所をつくる 駄菓子店経営者で「まちさぽ」代表 山永和子さん(東久留米市在住)

山永さんの写真
「駄菓子屋ソーシャルワーカー」・山永さん

「子どもたちに向き合いたい」と東久留米市幸町で駄菓子店「だがしやかなん」を営みつつ、同市のまちづくりサポートセンターで代表を務め、まちづくりに奔走する。

 

今年は念願だった社会福祉士の資格も取得。駄菓子店の2階で親世代対象の生き方セミナーや相談業務も実施する。

 

さまざまな「顔」を持つことから、「どういう人ですか?」と聞かれることもあるが、そこで答える肩書は「DSW」。スクールソーシャルワーカーならぬ、「駄菓子屋ソーシャルワーカー」だ。

 

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ボランティアに目覚めたのは高校生のとき。ボランティアのクラブに入り、募金活動や迷子探しに明け暮れた。

 

「友達にも家族にも『なんであんたが!?』と驚かれました。でも、活動していると、充実して、細胞が喜ぶというような感覚があったんです」

 

もともと人から相談をされることが多かったこともあり、結婚・出産後、セラピーの仕事を自宅でスタート。同時に、電話の“何でも相談”のスタッフとしても活動した。

 

転機になったのは、息子が中学3年生のとき。一部の生徒の素行が問題視された中で、「自分は他人顔していていいのだろうか」と自問した。

 

出た答えは、「学校にボランティアに入ろう」というもの。直談判で空き教室を借り、地域の大人が「何となくいつもそこにいる」という空間を作った。

 

活動をする中で、深刻な虐待や貧困に苦しむ子に出会ったこともある。シェルターに逃がそうと駆け回ったときには、行政の壁を感じた。

 

「何の資格もない町のおばさんが掛け合っても、相手にしてもらえないんです。当然のこととも思いましたが、無力感も覚えました」

 

そこで一念発起して勉強を開始。40歳を過ぎて大学にも通い、6年かけて社会福祉士の資格を取った。

 

駄菓子店を始めたのは、町中で子どもたちとかかわるのに最適と考えたから。子どもを通し、親や祖父母の世代ともゆるやかにかかわっていく。根底には、「わが町の子はわが町で育てる。そのために柔軟に動けるソーシャルワーカーがいてもいいのではないか」との思いがある。

 

目下の悩みは、駄菓子店の経営問題。商品の値付けが最大の苦しみだ。

 

「100円を握りしめてくる子どもが多い。その子たちにどう喜んでもらうか。本当は人気のかき氷を100円にしたいけど、それではほかに何も買えなくなる。ウチは消費税を取るので、結局80円で売っています。税込みで86円。それならもう一つ、おつりの14円で何か買えるでしょ」

 

「だがしやかなん」入口の写真 「だがしやかなん」店内の写真 「だがしやかなん」看板の写真

 

 

◆やまなが・かずこ 三鷹市出身、幼少期から東久留米市で暮らす。2015年5月、(株)TO・BI・RAを創業。同社の事業として「だがしや かなん」を経営、同時に、不登校や引きこもりなどの青少年の相談やイベント・セミナーの開催などを行っている。同店の住所は幸町1の5の23。

 

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山永さんが代表を務める東久留米まちづくりサポートセンター(まちさぽ)も参加する「東久留米市市民プラザ 夏まつり」が、30日(日)午前10時から午後3時まで、同市市役所などで開かれる。体験や舞台、屋台など。まちさぽは、「東久留米かるた」遊びを行う。詳しくは市民プラザ(042・470・7813)へ。

 

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株式会社TO・BI・RA