2018.07.03 この町この人

[この町この]人笑いの神に導かれた落語家 林家 久蔵さん(西東京市出身)

 


 落語で最高位の「真打」になり10年以上。13日(金)には、西東京市保谷こもれびホールで「地元出身真打登場!」と題した落語会に出演する。


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 落語との出会いは小学3年生の頃。子ども向けの落語の本に熱中。筋を覚えるまで読み込んだ。

 

そんな頃の、遠足の帰り道。みんな疲れて静かな電車内で、落語を語ってみせた。「よく覚えたねぇ。これ、どうぞ」。乗り合わせた高齢夫婦からもらった菓子が“初ギャラ”となった。「喜んでくれる人がいるんだぁ」と、漠然と芸人への憧れが芽生えた瞬間だった。

 

進学は早稲田の付属高校から大学へ。有名大学だけに将来の選択で揺れた。水物の芸人の世界か、手堅い企業での終身雇用か。「力を試そう」と受けた吉本新喜劇のオーディションで道が定まった。

 

「受かったらプロ、落ちたら宴会部長。そう思って受けたら、笑いの神が降りてきたんです」

 

披露したのは映画ロッキーの物まね。パンチのたびに鼻息でフンッ! フンッ! と音響を付けていたら、勢い余って鼻汁がズルッと出た。慌てて吸い込むと、まるで漫画のように鼻汁が弧を描いて鼻腔に収まった。

 

「きみ、おもろいねぇ」

 

120人中でたった1人の合格。自信を得ると、芸人になるなら関東でと、林家木久扇(当時は木久蔵)の門を叩いた。

 

下積み時代に感じたのは、「見ている人は見てくれている」ということ。裏表なく誠実に頑張っていると、後になって師匠や先輩から褒められた。

 

「落語の世界では『芸は人なり』といいます。ぜひ寄席で、落語家の顔つきや仕草、雰囲気を見て、感じてほしいですね」

 

自身も人間磨きに余念がない。日常生活のなかでは、ちょっとゴミ拾いをしたり、分け隔てなく人に話しかけたり。そんなところを見込まれ、現在は娘が通う小学校でPTA会長も務めている。

 

◆はやしや・きゅうぞう 1969年西東京市出身。保谷第一小学校、青嵐中学校卒業。同市の公民館講座や消防署の講演会で講師を務めたこともある。現在は都心在住。結婚式やイベントの司会なども請け負っている。
     

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 「林家久蔵 落語会」は、13日午後7時開演。入場料1600円。NPOプラス・ド・西東京が、11周年記念として主催。詳しくは同NPO(042・439・6535)へ。

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西東京市保谷こもれびホール