2019.04.03 地域情報

必要なのに広がらぬジレンマ【西東京市・地域協力ネットワーク】

 

設立3年で、見えてきた意義と課題

 

「安心できる町」を目指し、もっと地域住民のつながりを――西東京市で今、地域の人々や団体を一つにまとめる「地域協力ネットワーク」の組織作りが進んでいる。市を4エリアに分けて設立するもので、すでに3エリアで着手。ただ、認知度の低さなど、課題も明確になりつつある。先陣を切って3年前に発足した「南部地域協力ネットワーク」の幹部3人に、見えてきた課題や活動の意義を聞いた。

 

同ネットは、自治会や育成会、PTA、学校、企業、商店会、NPO等の市民団体など、地域にある団体・個人をつなぐもの。参加者自身が地域に積極的に関わり、より良いまちづくりをしていく狙いを持っている。

 

発足の背景にあるのは地域の中間組織の在り方の変化。自治会などへの若者の加入が減っている一方で、NPOなど新しい団体が地域に生まれている。また、3・11を経てコミュニティへの意識は高まっているが、団体同士の連携はあまり取られていない実情もある。

 

こうした中で発足した同ネットに求められる役割の一つは、何といっても防災対応だ。

 

「南部」代表の平柳麻雄さんは、「地域の各団体がまとまることで何ができるか。そこに踏み込むことにネットワークの存在意義がある」と語る。そして、実際の取り組みの例として、「命のハンカチ」を挙げる。

 

 

幹部メンバー。左が元代表の平柳さん

 

 

これは、大地震等発災時に、家族全員が無事であることを示すため「命のハンカチ」を玄関先等にくくりつけるというもの。安否確認作業者に「我が家は無事です」と知らせる目印になるもので、地域全員が共通認識を持っていることが前提だ。「その土壌を作ることが、ネットワークの役割」と、副代表の篠宮武男さんも力を込める。

 

加入率の向上が鍵

 

しかしながら、その活動の意義と裏腹に、課題も多い。とりわけメンバーが痛感しているのが、認知度と加入率の低さだ。南部地域には79の自治会・町内会があるが、参加しているのはその1割強の9団体のみ。駅前でPR用のティッシュを配っても反応は乏しいという。初代代表の石井智恵子さんは、「震災への危機意識も少し薄れているのかもしれません。いざというときに支え合うのは地域。多くの方に関わってほしいです」と話す。

 

「南部」の詳細は平柳さん(090・1252・0808)へ。


地域協力ネットワーク 自治会加入率が下がる中で、災害時の支え合いや日頃の防犯力アップを目的に、西東京市の主導でスタート。「南部」は2016年2月に発足、現在、9自治会・町内会、14団体・企業、37人の個人会員登録がある。他エリアは17年度発足の「西部」、今年度発足予定の「中部」と、「北東部」。