【続報】アライグマ、かわいい顔して実は凶暴

文化財、農作物に各地で被害続発

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 先日の当紙で紹介した、読者投稿による「落合川のタヌキ」情報。
 「身近にタヌキがいるなんて、なんだかうれしい」という喜びの声が挙がる一方、「タヌキはイヌ科なので、写真のように木には登らない」という情報も。結局、動物ジャーナリストの宮本拓海さんからの指摘で、「タヌキではなくアライグマ」という結論に至った。
 アライグマといえば、アニメ「あらいぐまラスカル」を思い出す人も多いのでは。しかし、ラスカルのようなかわいい外見とは裏腹に、文化財を傷つけたり農産物を食い荒らすなどの被害が各地で起きていることがわかった。

 アライグマは北米原産で、もともと日本には生息していなかった動物だが、1970年代以降、野生のアライグマの目撃情報が相次ぐようになった。その背景あるとされているのが、アライグマのかわいさなどで人気を博したアニメ「あらいぐまラスカル」(1977年、東京MXテレビ)だ。

野生化の背景にラスカル!?

 「ラスカル」のストーリーは、森で拾ったアライグマを飼っていたところ、近所の畑を荒らすなど飼育の難しさから、野生にかえすというもの。ちなみに、ラスカルとは、「やんちゃ坊主」という意味だ。それを知ってか知らずか、アニメの影響などでペットとして飼っていたものが逃げたり捨てられるなどして野生化したとみられている。その後、高い繁殖力で生息域を拡大し、現在では40を越える都道府県で生息が確認されており、「やんちゃ坊主」による被害が全国で続発している。

 300以上の文化財を有する京都では、重要文化財である清水寺・朝倉堂の柱に鋭い5本のつめ跡による損傷が見受けられた。農業、畜産業の盛んな北海道ではトウモロコシ、メロン、養殖魚を食い荒らされるなどの被害が報告されている。つい最近も、皇居でアライグマが捕獲されたという報道があったばかりだ(5月18日)。

侵略的外来種ワースト100にも

 ほかにも、捕食対象が小哺乳類から魚類、鳥類、両生類、爬虫類、昆虫類、野菜、果実、穀類と非常に幅広いことから、特別天然記念物のタンチョウが生息する北海道の釧路湿原を始め、各地の固有在来種への影響が懸念されており、環境省からは「特定外来生物」に、日本生態学会からは「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定されている。

 また、神奈川県鎌倉市では、フン尿などで家屋の天井が腐った、ペットが襲われて負傷したなどの被害が続発。農作物の被害状況は県全体で総額550万円(2008年度)以上に上っており、住民の頭を悩ませている。同県では、市町村と民間団体、農業団体が連携して捕獲を進めるなど被害対策に力を入れており、2011年3月いっぱいでの排除を計画しているが、天敵となる動物がおらずに繁殖率が高いため、1つの県に留まらず、都県境を越えた対策が必要なのでは、との声もある。

目撃数、意外に少ないが…

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 東久留米市で発見されたアライグマは飼われていたものなのか、他県からやってきたものなのか。
今回の投稿は氷山の一角で、すでに繁殖活動をしていた場合は近隣の自然環境や農作物、住宅に被害が及ぶ可能性がある。隣接する西東京市、小平市を含む3市の担当課に目撃情報、被害情報を聞いてみたところ、いずれの市も「被害状況は特にありません」との返答。昨年の目撃情報も東久留米市が1件、西東京市と小平市にいたっては0件というものだった。昨年度、東京都多摩環境事務所自然環境課へ寄せられた多摩地区全体でのアライグマの目撃情報は9件。

 拍子抜けする結果ではあったが、将来、鎌倉市や北海道のような状況になりえる可能性が潜んでいるのは事実。事前に防ぐためにも、アライグマを目撃したら各市の環境課などへご一報を。なお、捕獲には東京都の許可が必要なので注意。


【以下、3月24日本紙で掲載した読者からの投稿本文】

 「3月12日、面白いというか、不思議というか、変わったシーンを見ましたのでご紹介いたします。

 朝6時過ぎに、東久留米の落合川の川霧の写真を撮りに行きました。すると、私がカメラを持っているのを見て、「木の上にタヌキがいる」と教えてくれた人がいたのです。慌てて行ってみましたら、落合川右岸毘沙門橋下流50メートルの位置に大きな木が川に斜めに枝を張っていて、その中間に黒い動物が見えました。望遠レンズで見ると、確かにタヌキで、それも子ダヌキみたいです。犬に追われて逃げ登ったのか、小鳥を狙って追い登ったのか、いずれにしても登ったのはいいが、降りられずに困っているようでした。

 通りかかった人たちも立ち止まって不思議がっておりました。家に帰っても気になって仕方がありませんでしたので、午後再びその場所に行きましたら、もう姿は見えませんでした。自力で降りられたのか、落ちたのか、助けられたのかは不明です。(新座市 男性 ペンネーム「香風」) 


【記事の反響と経過報告】

 この投稿文を掲載後、多くの読者からさまざまな意見を頂戴した。「身近にタヌキがいるなんて、なんだかうれしい」という投稿文を寄せてくださった50代女性の方。また、落合川近くに住むという女性からは「近所でちょうどタヌキがいるみたいとうわさになっていた。真相が分かって気持ちがすっきりしました」というお電話も。

 ところが、一方で、「あれはタヌキではない!」との情報も。「タヌキはイヌ科なので、どんな状況でも木には登らない」という情報もあったなか、極めつけは、動物ジャーナリスト、宮本拓海さんからのメール。掲載されたのは「アライグマ」と断定したうえで、その理由として、体の色、耳のふちが黒くないこと、四肢が黒くないこと、指が長いこと、などを挙げられ、「自信を持って修正してください」とのお墨付きをいただいた。

 宮本さんによると、アライグマは東京都23区内にも生息しており、繁殖の兆候さえあるとのこと。ただ、これだけばっちり写真に撮られることはそうそうないとのことで、「今回の記事は非常にありがたい」とのお言葉をいただいた。本紙としては誤報だったわけで、喜んでいいのか、悪いのか……。
 なお、もっとタヌキ、アライグマのことを知りたい方は、宮本さんのホームページ http://tokyotanuki.jp/ご参照を。


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