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「長寿で元気」の見本になる
アコーディオン奏者
小林 要さん (東久留米市在住)
来月で92歳。演奏歴70年を超えるアコーディオンは、今も毎日1時間以上練習する。その腕を地域のために生かそうと、歌や踊りで高齢者を元気づけようというボランティアグループ「明るいマイタウンを創る会」に加わって3年。高齢者施設を慰問で訪ねては、歌や踊りの伴奏を一手に引き受けている。
「演奏しながら、『一緒に長生きしていこう』と心の中で呼びかけています。慰問の相手は自分よりも若い人が大半ですが、自分が元気な姿を見せることで、きっと彼らの励みになるはずと思っています」
アコーディオンとの出会いは小学生のころ。透き通った音色に心引かれた。主役にもなれれば、伴奏も担える。「極端に言えば、1台でオーケストラと同じような演奏だってできる」。そんな万能なところにも魅力を覚えた。
が、月給70円の時代に、アコーディオンは安くても100円以上。到底手が出るものでなく、小学生時代はハーモニカ、中学生時代はボタン式アコーディオンで我慢した。念願のピアノ式アコーディオンを手に入れられたのは、大学に入ってからだ。
しかし、すぐに戦争へ。27歳で復員すると、すぐに仲間と10人編成のバンドを組み、進駐軍基地などにも演奏に出かけた。
仕事人間で、地域との接点はほとんど持たずにきたが、50歳を過ぎたころから市の文化祭や東久留米ロビーコンサートなどでも演奏するように。地域紙「マイタウンひがしくるめ」に取り上げられたのを機に「東久留米アコーディオン同好会」も発足し、指導しながら、仲間との演奏を楽しむようになった。
「地域の人たちとかかわりを持てたのは、楽器があったおかげ。仕事の人間関係だけだったら、今ごろ寂しい思いをしていたかもしれません」
人前で演奏するときはきっちりやりたい、との思いが強く、弾く曲はすべて暗譜。レパートリーは50曲程度。「譜面があれば100曲でも200曲でも弾いて聞かせられるけど、それじゃ、音をなぞるだけ。慰問で訪ねるときは特に、相手の顔が見られないとね」。覚えるのは容易ではないが、それも「元気でいるための方法の一つ」と笑う。
「アコーディオンは長生きするにはぴったりの楽器。指先を使うし、姿勢も良くなきゃいけないし。それと、こうして各施設を回れるのもありがたい。私は私で、『あのじいさんが頑張っているんだからオレたちも頑張ろう』と思ってもらいたくて、慰問活動が励みになっているんです。私の側だけがボランティアしているわけではない。いわば、相互扶助ですな」
◆こばやし・かなめ 1920(大正9)年3月生まれ、東久留米三田会特別顧問。カザルスホールでの「カザルスアマチュア室内楽フェスティバル」で2度の入賞あり。
(取材記者:谷隆一)
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