江戸末期の古民家にさようなら  西東京市 新町 「和のいえ櫻井・にわとくら」

今春の取り壊しが決定した築150年の古民家「和のいえ櫻井・にわとくら」(西東京市新町5の3の5)。

もともと民家だった同所は、高齢者向けのデイサービスセンターのほかにも、多彩なイベントやワークショップなどを開くコミュニティスペースとして活用されてきました。

しかし、私有地である同所は、このたび、土地の売却が決定。近く宅地化される予定です。

「ホッとする場所だった」と惜しむ声は多く、今週末12日の「おたがいさま食堂」を始め、3月末までイベントの開催が続きます。

(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)

デイサービスセンターとして活用されている築150年の古民家。約300坪の敷地には、蔵やツリーハウスなどもある

デイサービスや学童などに利用されてきた古民家

空き家になっていたこの古民家が「和のいえ櫻井」として「再生」されたのは、2007年のこと。蔵もある約300坪の自然豊かな空間は、高齢者向けのデイサービスセンターや学童保育など、交流や福祉の拠点として活用されてきました。

が、地権者の親族間で土地の売却が検討され出したことから、「なんとか残していけないか」と、さらなる有効活用の模索がスタート。2015年には、同市在住の佐藤うららさんが発起人となる「にわとくらプロジェクト」が発足し、市内外の人々による建物の保存に向けての取り組みが行われてきました。

同プロジェクトには、多種多様な業種の人々がボランティアを含め30人ほど参加します。

ハンドドリップのコーヒー、オーガニック野菜など飲食物の販売のほかにも、行政書士による老後の相談会やアロマセラピーなど、プロジェクトメンバーらがほぼ日替わりで敷地内に出店しているほか、ボランティアスタッフによる工作のワークショップなど、日によって1~8つほどの出店があります。

さまざまなイベントに多世代が集まる

「親子ともに出会い・交流の場に」

料理を作るイベントにボランティアスタッフとして親子で参加した同市在住の中山奈々帆さんは

「子どもはもちろん、私自身、いろいろな世代の人と触れ合えるいい機会になっています。特に、子どもは学区外にも友人ができて楽しそうにしている。取り壊しは残念ですが、ここであった出会いが子どもにとっていい経験・思い出になってくれれば」

と土地の売却決定を惜しんでいました。

同プロジェクトの佐藤さんは「宅地になって、マイホームを持つ幸せな家族が町に増えるのは喜ばしいこと。一方で、たくさんの出会いをつないでくれたこの場所がなくなってしまうのは、正直さびしい。西東京市に残る貴重な景観を、ぜひ最後に見に来てください」と話しています。

「にわとくらプロジェクト」のメンバーら

詳細はHP参照を

今後のイベントは、マルシェやカフェ、ヨガやリラクセーションなどのワークショップなど、日替わりで多彩に3月末まで行われます。今週末12日には、ボランティアスタッフによる企画事業「おたがいさま食堂」が開催。午前10時から午後3時まで、西東京市産の野菜で「豆乳スープ」を作ります。小学生以上500円。

(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)

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