春先に知りたい、子育てと自転車  「ちょっとの知識が『安全』の一歩です」

子どもの入園に合わせて自転車購入を考えている――そんな家庭が増える季節。

そこで本紙では、正しい自転車の選び方や乗り方について、先ごろ出版された『おやこで自転車はじめてブック~子乗せで走る、こどもに教える』(子どもの未来社)を手がけた編集者・やまがなおこさん(=東久留米市)に話を聞きました。

編集者のやまがなおこさん

小さなお子さんを持つママが読者層

 ――自転車の本を出版されています。どんな本かご紹介を。

「楽しく安全に自転車を運転するための本です。『ママチャリ』といわれるシティ車や、子乗せのカゴがついた『子乗せ自転車』の乗り方を紹介しています。

小さなお子さんを持つママたちを主な読者層と想定し、イラスト豊富な、親しみやすい本にしています。

『自転車ツーキニスト』として有名な疋田智さんの監修です」

 

安全な自転車走行のポイントは?

――シティ車や子乗せ自転車の乗り方のポイントとは?

「まず一つは、ちゃんと交通ルールを知ってほしいということです。『厳守すべき』という話ではなく、交通ルールをうまく活用しましょう、という提案です。

たとえば、自転車に乗っていると『どこを通行すべきか』と迷うことがありますが、道路交通法をちゃんと知っていると、その時々に、適切な判断ができるようになります。

すでに多くの人がご存じのように、自転車の通行の基本は車道です。ですから、本来は車道を走るべきなのですが、現実には、歩道を通ったほうが安全なケースが多いです。そういうときは、無理せず、歩行者に気を配りながら歩道をゆっくりと通ればいいのです。

私は、道路交通法を正しく知ることで、自転車に乗るときの気持ちが楽になりました」

 

みんなで守ることが大切

――とはいえ、自転車のマナーの悪さもよく指摘されます。

「乗っていて、私もそれは感じます。

一つ皆さんに提案したいのは、『自転車の左側通行を徹底しませんか』ということです。自動車が必ず左側通行するように、自転車も全員が左側通行をすれば、それだけで、格段に安全性が増すと思います。

そうしたルールは、結局、子どもや高齢者といった弱者を守ることになります。

警視庁が公表しているデータが興味深いのですが、子どもの自転車・歩行事故の原因の半数以上が、『違反なし』となっています。つまり、子ども自身がルールを守っていても事故が起こる状況があるということなのです。

私たち一人ひとりがちょっと心がけるだけで、町全体の安全性がぐっと高まるのだと思います」

 

自転車の適切な買い方

――自転車を買おうという人にアドバイスを。

「子乗せ自転車について言うなら、最近は重心が低くて乗りやすいものもあるので、必ずしも電動にこだわらなくてもいいと思います。

むしろ強調したいのは、一度は必ず乗ってから購入してほしいということです。スタイルと値段だけ見て買う方がいますが、自分の体に合っているか、触って確かめてください。

それと、自転車は命を預ける乗り物なので、信頼できるお店で買ってほしいと思います。ネットで購入する方がいますが、自転車のネット通販はご自分で整備できる方向けと考えるべきです。

私は『かかりつけ医を持つように、自転車も頼れるお店を見つけましょう』と呼びかけています。

高価な自転車でも、整備していなければ危険です。ちゃんとタイヤに空気が入っているか、ねじは緩んでいないか――そんな小さな気配りが、楽しく安全な自転車運転につながるのです。

ぜひ、気軽に行ける専門店を見つけてください」

 

親子対象に乗り方教室

やまがさんがファシリテーターを務める「おやこで自転車ワークショップ」が、4日午前11時から自然育児友の会事務局(国分寺市東元町)でと、4月2日午後1時30分からファミリーサロン(同)で開かれます。

参加費1500円(『おやこで自転車はじめてブック』付)。

詳しくはぼちぼち自転車くらぶ(090・5004・4767)かFacebook=ぼちぼち自転車くらぶ=へ。

(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)

同書はA5判変形、64ページ、1080円。全国書店、ネット書店で販売中です。

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