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猫 耳 南 風

太宰治文学賞作家 志賀泉さんコラム

 

最近、僕の関わった本が二冊出ましたのでお知らせします。

一冊目は『フクシマ発』(現代書館、1944円)。

福島県に深い関わりを持つ作家や文化人、実業家等による共著です。

福島県の未来について福島県の内側から声を上げようというコンセプトで編まれた本ですが、類書と比べると、著者の語り口に共通してやさしさがあります。読んでいるとほっこり心が温まる思いがします。自分の身体を使って活動している人は、総じて明るいものです。

ちなみに僕は、「無人の小高町を歩く」というエッセイを寄せています。僕が出演した記録映画『原発被災地になっ た故郷への旅』を中心に書いていますが、僕の言いたいことはつまり「子供たちに生きる力を与える故郷でなければ故郷ではな い」ということです。

* * *

二冊目は『アクション!』(アトラス出版、1404円)。

『原発被災地~』の監督杉田このみさんの対談集です。「地域を変える8人との対話」とサブタイトルがついています。

僕は作家を志した頃から現在に至るまでの道行きを主に故郷との関わりで語ったのですが、一番言いたかったのは 「風土を守っていけば故郷を守れる」ということです。

二冊とも一般書店で購入できますが、置いていない時は店員さんに頼んで注文して下さい。ネットでも購入できますが、批評社からも『フクシマ 発』という同名の書籍が発売されていますので、お間違いのないようお願いします。(批評社版にも僕は参加しています)

 

プロフィール

志賀 泉

小説家。代表作に『指の音楽』(筑摩書房)=太宰治文学賞受賞=、『無情の神が舞い降りる』(同)、『TSUNAMI』(同)がある。福島県南相馬市出身。福島第一原発事故後は故郷に思いを寄せて精力的に創作活動を続けている。ドキュメンタリー映画「原発被災地になった故郷への旅」(杉田このみ監督)では主演および共同制作。以前、小平市に暮らした縁から地域紙「タウン通信」でコラムを連載している。

 

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