開放隅角緑内障

街かど診療室

保谷伊藤眼科・伊藤勇院長のコラム

 

虹彩(茶目)と角膜(黒目)の付け根にある隅角は広いが、房水(目の中の栄養水)がしみ出しにくいために眼圧が上がる病態で、一番多いタイプの緑内障です。

それでは、適正な眼圧はいくつか。

一昔前は、眼圧が10~20mmHg(ミリ水銀柱)であれば正常といわれていました。しかし、現在では視野がおかしくなるような眼圧を異常値として、その眼圧から20~30%下げることが治療の目的となっています。

 

眼圧を下げることが唯一の治療法

例えば緑内障発症時、未治療での眼圧が20mmHgであれば、目標眼圧は14~16mmHgとなります。

眼圧を下げることだけが、現在の緑内障治療の唯一の方法です。

大切なのは、自分の眼圧に注意を向けること。眼圧を20~30%下げることにより、70%以上の人が視野狭欠損の速度が低下、もしくは停滞するといわれています。

眼圧を下げる点眼は、現在大きく分けて6種類。ただ、6種類全てつけることは組み合わせや、経済的理由、薬の副作用、患者本人ができるかなど、さまざま困難があります。

組み合わせられるのはせいぜい3種類。それでも眼圧が下がらなく視野欠損が進行していれば、手術を視野に入れた方が良いと思われます。

 

手術は大きく2種類

眼圧を下げる手術によって、点眼本数が減少、もしくはゼロになることもあります。

現在、このタイプの緑内障に対して、大きく分類して2種類の手術があります。一つは房水のしみ出していく線維柱帯を切除してしまう方法、もしくは眼の外、結膜の下にプールを作り房水をそこに出してしまう方法です。

開放隅角緑内障にもたくさんの種類があり、適した手術方法を選択してもらいましょう。

 

プロフィール

伊藤 勇

「保谷伊藤眼科」院長。大学病院で最先端の眼科医療に携わった後、同院を開業。白内障等の日帰り手術のほか、網膜硝子体疾患手術、緑内障手術、眼科一般診療などを幅広く行っている。公式ホームページ:http://www.itoganka.com/

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