眼底検診について

街かど診療室

保谷伊藤眼科・伊藤勇院長のコラム

 

今回は眼底検診についてのお話。西東京市では対象年齢の方に年1回勧めており、今年も7月から始まりました。

文字通り、眼底を観察して正常とどう違うのかを比較するのですが、まず、水晶体に濁りがある場合(白内障)、または硝子体に濁りがある場合(硝子体混濁、硝子体出血など)には、奥の眼底が見えにくいため、精密検査が必要となります。

眼底がしっかり見えたら眼科医は、まず視神経および黄斑部、血管を観察します。視神経の形状で緑内障の可能性を探ったり、ほかにも腫れていないか、充血していないかなどをチェックし、悪性高血圧や視神経炎などの存在も確認します。

黄斑部を観察する際、出血や白斑の有無を確認し、また、黄斑部に膜が張ったり穴が開いていないか、腫れていないかなどをチェックし、「加齢黄斑変性」や黄斑前膜、黄斑円孔、糖尿病網膜症などの可能性を調べます。

 

眼底は人体で唯一、血管形状を観察できる部位

実は人間の体で、血管形状を唯一観察できるのが眼底。その血管に蛇行があれば、中枢の血管の攣縮や詰まりが予想でき、動脈が細くなっていれば高血圧や高血糖を予測し、動脈と静脈の交叉する場所に問題があれば血管硬化症を考えるなど、内科での詳細な検査をお勧めします。

眼底の観察は、施設によっては散瞳薬を点眼することから、4~5時間は眩しくピントが合いづらい時も。なるべく自転車やバイク、車での来院は控えてください。

 

プロフィール

伊藤 勇

「保谷伊藤眼科」院長。大学病院で最先端の眼科医療に携わった後、同院を開業。白内障等の日帰り手術のほか、網膜硝子体疾患手術、緑内障手術、眼科一般診療などを幅広く行っている。公式ホームページ:http://www.itoganka.com/

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