地域紙を出すワケ

2019年2月13日

タウン抄

「タウン通信」代表・谷 隆一コラム  タウン抄 

 

先月、仰々しくも「会社説明会」なるものを開催し、日ごろ考えていることを存分に語らせていただいた。

「いや~、谷さん。私、その熱意に付いていけそうにないです」

終わるなり吐露してきたのは、弊社のパートスタッフ。「良い機会だから聞いてくれる?」と参加してもらったのだが、刺激が強すぎたか。熱弁を振るったつもりはないが、「谷さん、アツイっすね~」としきりと言う。

といっても、語った内容はさして複雑なことではない。本紙は「出会いを生み出す」という編集方針を持っているのだが、「なぜ出会いなのか」をあれこれと解説したまでだ。

「いや~、付いていけないです」と読者に去られても困るからここでは詳細は省くが、要は、多くの人が地域と関わりを持っていくことが重要なのだと思う。

この原稿を書いている現在、例の父親の虐待による小4女児の死亡事件が盛んに話題になっているが、ああした事件は、本来は地域が救えるものなのだと思う。むろん、この事件は、行政・学校を含めた地域が救えなかった(というより救わなかった)ところに衝撃があるのだが、より広く柔軟な関わりとして、隣近所や友だちといった存在もあったはずだ。緩やかで幅広く重層的な関係を持てることが改めて重要なのだと感じる。

そんなこんなで、本紙は「出会い」を生み出す情報発信をより加速させたいと考えている。デザイナーさんについては万全の体制ができたのだが、取材記者はいまだ不足ぎみ。書くのが苦手な人でも大丈夫です。地域紙作りにご興味ある方、お気軽にご連絡ください。

(2019年2月13日号・本紙掲載分から転載)

 

谷 隆一

株式会社タウン通信代表取締役。地域紙「タウン通信」を多摩北部で約10万部発行、ウェブサイトでも地域情報を発信する。著書に『議会は踊る、されど進む〜民主主義の崩壊と再生』(ころから)、『中高生からの選挙入門』(ぺりかん社)、『起業家という生き方』(同、共著)、『スポーツで働く』(同、共著)、『市役所で働く人たち』(同)がある。

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