西東京市長選挙のやり直しを求めて異議申し立て ビラ問題

2021年2月26日

西東京市長選挙をぐちゃぐちゃにされたので、やり直しにしてほしい―—。

池澤隆史市長の確認団体が選挙期間中に配布した法定ビラ2号の内容は違法だとして、2月22日に、西東京市の選挙人60人が「西東京市長選挙の効力に関する異議申し立て」を同市選挙管理委員会に行いました。

問題の法定ビラは、池澤市長の確認団体「明日の西東京を創る会」が投票日直前に全戸配布したもので、名指しこそしていないものの、表に「逗子での失敗のリベンジは、逗子でやってください」などとあり、対立候補者の平井竜一前神奈川県逗子市長を批判する内容だったことから、「ネガティブキャンペーンだ」といった指摘が出ています。

ビラの裏面には新聞記事の抜粋が複数掲載されていましたが、今回異議申し立てを行った選挙人たちは、「それらは事実をゆがめる形で編集されている」と指摘します。

そして、公職選挙法235条2項に「当選を得させない目的をもって公職の候補者に関し(中略)事実をゆがめて公にした者は、4年以下の懲役(等々)」と定められていることから、「違法行為によって選挙結果に影響が出た」として、選挙の無効を求めています。

発起人の一人の山口あずささんに、電話でインタビューを行いました。

以下、一問一答で記載します。

批判が出ている法定ビラ。左の青地の部分が表面。裏面には新聞記事の抜粋が記載されている

 

「異議申し立て選挙人」発起人にインタビュー

——まずは、異議申し立ての経緯と参加者について教えてください。

「異議申し立ては当選人の告示から14日以内に行わないといけないので、団体を組織する余裕もなく、ネットやメーリングリストでつながった人たちで行いました。

私自身は幾つかの市民活動にかかわっていますが、今回の参加者については、従来の仲間ではなく、大半が面識のない方です。

皆さん、『これはないな』というお気持ちで参加されているようです。

時間の制限から60人で異議申し立てをしましたが、『間に合えば参加したかった』という方もおり、これから賛同者が増えそうだと感じています」

 

―—選挙の無効を訴えています。

「まず申し上げたいのは、どちらかの応援ではないということです。

これは、落選した平井陣営の活動ではありません。私自身、平井さんとこの件に関しては直接話はしていません。

この異議申し立ては、平井さんのためではなく、西東京市のためだからです。

あのビラによって、この選挙はぐちゃぐちゃになってしまいました。

ビラを信じて池澤さんに投票した人もいれば、『排他的だ』と反発して平井さんに入れた人もいる。『ケンカみたいで嫌だ』と保谷美智夫さんに投じた人もいたでしょう。

事実をゆがめたビラによって選挙に異動が生じるという、異常な選挙だったということです。ですから、その効力を無効にし、もう一度選挙をやり直してほしいと求めています」

 

—―ビラのどこを問題視していますか?

「裏面に新聞記事が引用されているのですが、例えば、財政危機の中で事業を削ったという記事では、元記事ではきちんと、障害者や母子家庭などの費用は残したことが書かれています。ところが、それらは「(中略)」としてカットされ、削減される部分だけを抽出しています。

表面には『逗子市での失敗』と書かれており、それを裏付けるように記事の抜粋がされているわけですから、原典があるとしても、これは明らかに編集の著作物です。従って、『事実をゆがめる』という法律の条文に当てはまるのです。つまり、公職選挙法に抵触する犯罪です。

それによって西東京市の人たちの公明で公正な選挙がゆがめられたのですから、その選挙には効力はありません」

 

——先ほど、西東京市のため、とおっしゃいました。その真意は?

「フェアでも前向きでもなく、とにかく人の足を引っ張るだけの選挙。

ビラにはさまざまな反応があったわけですが、中には、『西東京市というのはこういう排他的な町なのか』と思った人もいます。

それを、このままにしてしまったら、西東京市という町の品位が損なわれてしまいます。

私たちは、『これはないでしょ』と声を挙げる必要があります。

また、平井さんに対しても、大変失礼だったと思います。

逗子市から転居して西東京市の市長になるという決意をしたというのは、大変な決断だったはずです。経済的にもリスクを追うわけですから。

夢とか何かを感じ取ってチャレンジしてくれたはずなのに、悪口をいう選挙で負けたというのは、納得がいかないことでしょう。

ご本人は、『結果は結果』とおっしゃっているようですが、西東京市民の一人として、『大変失礼なことをしてしまったな』と感じています」

 

―—法定ビラですから、認可されて配布されたのではないですか?

「確認団体から法定ビラは2種類まで出せるのですが、その要件は、選挙の名前、団体名、法定ビラの番号(1号か2号か)、の3つだけです。

選挙管理委員会は、その中身には触れません。検閲になってしまうからです。

ですから、今回のビラもその3要件は満たしているので、法定ビラとして配布されました」

 

——今後について、どうお考えですか。

「まずは市選挙管理委員会の審査を待ちます。

却下された場合は2つの道があるのですが、一つは都の選挙管理委員会に審査請求し、その結果を受けて東京高裁に提訴します。

もう一つは、都選挙管理委員会を経ずに直接高裁に行くことですが、どのルートを取るかは、みんなで話し合って決めたいと思います。

というのも、この異議申し立てには、市民活動的な要素もあると思うからです。

市民がしっかりして、今後はこういうことが起こらないまちづくりをしようということに意味があります。
だからこそ、みんなでよく話し合いながら進めていければと思っています」

※山口さんは自身のFacebookで、詳細をレポートしています。
山口あずささんFacebook

 

審議日は未定

なお、西東京市選挙管理委員会では3月1日に委員会を開催しますが、この日はこの件の具体的な審議には入らないとのこと。
異議申し立てから概ね30日以内に審査することが求められているとのことで、具体的な日程は調整中とのことです。

 

別団体は、ネットでの署名運動

このビラをめぐっては、多くの野党議員が参加する「公正でフェアな選挙を求める西東京市議会議員有志」と「西東京市のみらいをひらいていく会」によって、「ネガキャン選挙を許さない!」としたネット署名運動も行われています。

こちらは、選挙の結果を受け入れながらも、今後の選挙のあり方を視野に入れて抗議をしていくというものです(詳細はこちら「ネガキャン選挙を許さない! 西東京市長選への抗議活動始まる」)。

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