「平家物語」アニメ化へ 西東京市の作家・制作会社がタッグ

昨年末には公開稽古も

昨年12月28日(火)西東京市保谷こもれびホールにて、同市アニメ制作会社(株)エクラアニマル主催「平家物語絵巻」生ライブの公開稽古が披露された。切り絵作家小出蒐さんの作品「平家物語絵巻」全場面と新たな作画を加えた約80点をナレーションと音楽で表現するもので、稽古は声優の田原アルノ氏、柳沢三千代氏、俳優・歌手の吉野悠我氏、音楽家の柳沢マーヤ氏が行った。

舞台に設置した大型のスクリーンには「平家物語絵巻」の切り絵が一場面ずつ写し出される。それに合わせ、田原アルノ氏と柳沢三千代氏がナレーション、吉野悠我氏が琵琶、柳沢マーヤ氏がパーカッションを演奏する。ライブならではの生の声音と音の迫力によって、切り絵の登場人物により深い表情が宿る印象を受けた。

切り絵による「平家物語絵巻」にセリフと音楽を重ねていく稽古が公開された=12/28、保谷こもれびホールで

 

現在(株)エクラアニマルでは「平家物語絵巻」のアニメ化の制作を進めている。これに先立ち、昨年「声優の生ライブによるアニメ上映と能の舞台のコラボ」を企画し、文化庁の「ARTS for the future! 事業」に応募した。

これは、国内の文化芸術関係団体と文化施設の設置者または運営者に対して補助金を交付するという事業で、同社は表現の可能性を追求しようとチャレンジした。結果は惜しくも不採用となったが、同社代表取締役社長 豊永ひとみさんの「このままにはしたくない、諦めない」という熱い思いから、今回の公開稽古が実現した。

豊永さんは、

「『ARTS for the future!事業』の結果はとても残念でしたが、公開稽古を行ったことで新たな発見や気づきがたくさんあり、スキルアップに繋がりました。前に進み続ける大人たちの姿を見せるためにも、これからも枠を越えてチャレンジしていきたいですね。
私たちの活動は、すべて未来の子供たちのためにあります。大人ができることをやり続けるだけです」

と話す。

また、公開稽古を観覧した小出さんは

「切り絵によっては、映像にしたときの見せ方を変える必要があることが分かりました。アニメ化に向けて、さらにブラッシュアップしていきますよ」

と、さっそくスタッフと制作会議の日程を決めていた。

今年中の完成を目指す

「平家物語絵巻」のアニメは2022年内の完成を予定しているとのこと。

また、小出さんの絵巻の作品から『坂落』がフランス芸術協会展示会「ル・サロン」に入選した。『川中島』に続く2度目の入選で、パリのグラン・パレ・エフェメールの会場に2月16日(水)〜20日(日)まで展示される。

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