今年も新年度生徒を募集  3/5、6に説明会 無料学習教室「稲門寺子屋」

2022年2月2日

「経済格差による教育格差を生まない!」

主に経済的な理由で塾に行けない子への無料での学習支援を続けているNPО法人「稲門寺子屋西東京」(以下、寺子屋)。今年も年に1度の募集を行う。活動の趣旨や様子、指導者たちの思いを取材した。

 * * *

「子どもに平等な教育機会を」の理念で寺子屋が発足したのは2009年。同市在住の早稲田大学ОBによる「西東京稲門会」有志が立ち上げ、これまで数百人に指導してきた。現在、同市の公共施設を会場に、小学5年生から中学3年生に学習指導を行っている。

指導者は企業を退職した人などで、完全なボランティア。元塾講師や元大学教授などもいる。

指導の様子。新型コロナウイルス感染予防のため、席を離し、指導者はフェイスマスクを着用している

 

授業スタイルは1対1か1対2の少人数制で、基礎学力の向上を目的にしている。受験指導は行わないが、結果的に学力が上がることでやる気に火が付き、上位都立高校に進学した子などが過去にはいるという。

「数学が苦手で、学校の定期テストで60点だった子が、高校の数学選抜クラスに進学したケースもあります。子どもの成長が見られるのが何よりやりがいです」

と話すのは、指導歴11年の竹森英次さん。

9年教えている関口和子さんは「一生役立つからと英検受検を推奨していて、2級に受かった子もいました。コロナで施設が休館中は、オンライン授業もしました」と話す。

拘束時間の長い学習指導をボランティアで続けるのは容易ではないが、活動は指導者の熱意で支えられている。

指導歴8年の片山尚美さんは、「どの指導者も、自分の力を次代の子どもたちに注ぎたいという思いで一致している」と強調する。

「企業の中で人材育成に関わった経験などをここで生かしている。学力だけでなく、規律ある生活や努力の習慣化など、子どものうちに身に付けるべき姿勢を伝えているのも寺子屋の魅力の一つと思います」

なお、入会の際の「経済的理由」については、低年収、収入減以外にも、「兄弟が多い」「上の子が私立に進学して学費が大変」「介護等の費用がかかっている」などのケースもあるという。

左から、指導者の竹森英次さん、片山尚美さん、関口和子さん

 

説明会を開催

生徒募集は年1回。対象は公立校に通う新小5から新中2の児童・生徒。国語、算数・数学、英語のうち2科目まで。

「保護者・生徒 説明会及び面談」が、3月5日㈯と6日㈰に田無総合福祉センターで開かれる。両日とも午前9時30分からと10時50分から。なお、各公民館に募集チラシが置かれている。

詳細は理事長・金子さん(☎080・4125・1038)へ。

 

寄付の呼びかけも

寺子屋では寄付を募っている。ボランティア活動だが、教材費・指導者の交通費など運営負担は大きい。

「無料指導を続けるには寄付に頼るしかありません。『地域の子どもたちをみんなで育てよう』というお気持ちでご賛同いただけると幸いです」と理事の高木さん。

銀行振込の場合は左記(三井住友銀行/田無支店/普通/4114594/特定非営利活動法人 稲門寺子屋西東京)へ。

寄付の詳細は同会ホームページにも記載。なお、指導者も募集している。

稲門寺子屋

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