西東京市に地域博物館を! 3団体が「創ろう連合会」を発足

2022年6月15日

20万都市にふさわしい地域博物館を創ろう――。西東京市で今春、「地域博物館を創ろう連合会」が発足し、機運醸成を狙いに、市民へのPRなどの活動を行っている。来月3日には、国立民族学博物館の飯田卓教授を招き、講演会も開く。

かつて保谷にあった民族学博物館の写真資料を選別する「下保谷の自然と文化を記録する会」メンバー

 

「連合会」を組織するのは「田無地方史研究会」などの3団体(※)。

地域に国指定史跡で南関東最大級の下野谷遺跡などがあることから、地域の文化遺産を保管・公開できる「地域博物館」の設立を目指している。市民の賛同を得て機運を盛り上げ、市に働きかけていく意向だ。

現状で、同市には郷土資料室があるが、小学校の旧校舎を活用しており、発掘された貴重な土器などを保管するための十分な環境・設備があるとは言えない。また、アクセス面も含めて、展示会などに適しているとも言いづらい。

「西東京市には、1962年まで、日本で最初の民族学博物館がありました。その当時のコレクションが大阪府の国立民族学博物館に約2万1000点も残っており、西東京市での『里帰り展示』の話もあったのですが、結局、展示にふさわしい場所がない、と見送られたこともあります」
と話すのは、連合会の発起人の萩原恵子さんだ。

市内ではほかにも、同市に長く暮らした詩人・茨木のり子さんの家を残そうという活動などもあり、「この地域に関係する文化遺産を集めれば、市民が地域をより知る場になるし、知ることで地域に愛着を持てるようになる。何もない市と思われがちだが、実はたくさんの資源があるという認識を共有していきたい」と萩原さんは話す。

連合会では、講演会などを開きつつ、地域の遺物の写真のパネル展示なども計画している。会長を務める近辻喜一さんは「博物館が交流拠点になる」と博物館開設の意義を口にする。

「全国の多くの博物館で、市民がボランティアで参加しています。中には解説役まで務めている例もある。そのような市民が増え、ふだんの交流の中でも地域の歴史が語られるようになれば、どんどん地域を知る人が増えていく。博物館は単に箱モノではなく、人をつなぐ役割もあるのです」

西東京市郷土資料室で保管・展示されている発掘土器。ガラスケースに入っているが、展示室のなかには空調がない部屋もある

 

関心高める講演会 7/3に柳沢で

なお、7月3日㈰の講演会は午後2時から4時まで、柳沢公民館で。

「保谷に集まった博物館資料の現在」をテーマに、飯田教授が話す(同市公民館市民企画事業)。同市在住・在勤・在学者、申し込み先着35人まで。

申し込みは20日㈪午前10時から、萩原さん(☎042・423・5796)へ。

※連合会の構成団体はほかに、「西東京 自然を見つめる会」「下保谷の自然と文化を記録する会」。

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