[この町この人] カプラⓇ一本積みで日本一 桝井功さん

2022年9月7日

約117㍉×約23㍉×約8㍉の板切れを組み合わせてさまざまな造形ができる、フランス生まれの木製ブロック「カプラⓇ」。その最も狭い約8㍉×約23ミリの面を重ねて積み上げる「一本積み」で、日本記録を持つ。達成したのは77歳のときで、その数、12本。カプラⓇの公式ホームページによれば日本では10本以上の達成者は他にいないという圧倒的な記録だ。

組み立てたカプラⓇでの矢印を前に。3本を縦に積み上げた上に28本を横に組んで矢印の形状を作っており、制作の難易度は高い=多摩六都科学館で

 

カプラⓇに出会ったのは70歳のとき。家が多摩六都科学館に近いこともあり、ボランティアになった。最初の動機は、「高校時代から一途に仕事にしてきた電器のことを、子どもたちに教えてやれたら」というもの。ところが、館内にあったカプラⓇのコーナーに、自身が魅せられた。

「テレビの組み立てや測定器の製造、オーディオ修理などを多彩にやってきました。機器の修理では、小さなねじを裏から回すなど、指先の器用さとバランス感覚が要求されます。カプラⓇの積み上げに、この『勘』が生きるのではないかと思ったんです」

実際に一本積みに取り組んでみると、周囲のみんなが苦労しているのをよそに、5本、6本と簡単に積み上がった。がぜんやる気になってチャレンジし、2018年には1月に10本、2月に11本、そして6月に12本を積み上げ、次々と記録を更新した。

次は13本を――というところでコロナ禍が発生。同館のボランティア会も休止状態となり、2年以上のブランクが生じたが、82歳の今も情熱は消えていない。

「非公式では12本の達成者がいると聞いています。13本をやれば、正真正銘の世界一。これは絶対に達成しないと」

木製ブロックが乾燥する冬場がチャンス。いざその機会が来たら、重要なのは「重心」を見極めることとなる。

「軸が大事なんです。木製のカプラⓇは一片一片に木目などの個性があるので、向きや形状を見極めるのも重要。こういう挑戦を、若者ではなく、ベテランがするというのもいいでしょ?」

◆ますい・いさお 1940年、京都府生まれ。工業系の高校を卒業後、測定器の製造会社勤務などを経て、独立。有限会社マスコム電子代表。本業では現在、オーディオ修理を専門で行っている(https://masucom-denshi.jimdosite.com/)。

     ◇

多摩六都科学館ではカプラⓇのコーナーが展示室「からだの部屋」に設置されているが、現在は新型コロナウイルス感染予防のため休止中。教室開催時のみ体験できる。

※「KАPLA」および「カプラ」は、KАPLA考案者トム・ブリューゲン氏が、EU、日本ならびにその他の国において、所有する登録商標。日本国内において、KАPLA日本総代理店有限会社アイ・ピー・エス(冨安智子)が専用使用権を有している。登録商標は著作権者有限会社アイ・ピー・エス冨安智子の許諾を得て使用している。

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