草津にあった負の遺産の再現
東村山市にある国立ハンセン病資料館で、夏の特別企画として、「入ってみよう! 重監房」が行われている。
重監房は、群馬県草津町にあるハンセン病患者の「国立療養所栗生楽泉園」の敷地内で1938年から47年まで使用されていた監房で、全国のハンセン病療養所から、特に反抗的であったり逃走した者が投獄された。
堅牢なコンクリート壁に囲まれた監房には、縦12センチ×横75センチほどの明かり取りしかなく、夏は高温多湿に蒸し、冬はマイナス20度近くまで冷え込んだ。
雨・雪が吹き込み、薄い寝具は凍り付いたといわれる。
9年間に93人が投獄され、うち23人が死亡。そのうちの18人は凍死で、自殺者もいた。平均の投獄日数は121日、最長は533日にも及ぶ。
その一室を再現したものが同資料館で常設展示されており、普段は外から見ることができる。今回は特別に中に入れるもので、投獄された人が壁面に残した「本日まで七十余日」の落書きなどを間近で見られる。
「実際に重監房に入ることで、当時の人権侵害の実態について考える機会にしてほしい」と学芸員の橋本賢一さん。
公開は日時限定で、次回は8月17日㈯午前11時からと午後2時から。予約不要。詳しくは同資料館(☎042・396・2909)へ。