武蔵野美術大学生が取材・記録 子ども食堂レポート

2024年10月2日

25日㈮~27日㈰の芸術祭で展示

ムサビ生が子ども食堂や地域活動の魅力をまとめた――25日㈮から27日㈰までの武蔵野美術大学の芸術祭で、大学生による「小平子ども食堂レポート」の展示が行われる。「レポート」の発端は、小平市民活動支援センター「あすぴあ」が実施した学生との交流会。学生たちは「活動を通して、小平というもう一つの居場所ができた」と地域活動の楽しさを口にする。

高橋智子さん(右)と関口公輔さん

 

「子ども食堂って、わーっと食卓を囲むところじゃないの!?」

展示発表をするのは、視覚伝達デザイン学科4年生の高橋智子さん。

きっかけは、教授から紹介された「あすぴあ」のイベント。同級生の関口公輔さんと共に参加し、子ども食堂を見学して驚いた。目の前にあったのは、真夏のエアコンのない厨房で黙々と弁当を作る大人たちの姿。「子ども食堂って、子どもたちがわーっと食卓を囲むところじゃないの!?」。そんな疑問が吹き出し、急速に子ども食堂への関心が湧いた。

「『コロナ』の影響で、お弁当作りに切り替わっていたんです。その狙いを聞くと、子どもたちに栄養のある食を届けたいという団体の方々の思いが見えてくる。一方で、ご高齢者の居場所づくりに重きを置いているところにも出会い、いろいろなスタイルがあることを知りました」

活動スタイルの裏には、それぞれの理念や思いがある――それに気付いた高橋さんは、市内で活動する「まるちゃんカフェ」「移動式子ども食堂カモミール」「だれでも食堂ゆらり」「だれでも食堂わらい」の4カ所を数回に分けて取材し、このほど、80ページの本にまとめた。より良いものを作りたいと、ベストセラ―を生み出した編集者が受け持つ授業まで選択受講している。

「地域にいろいろな『食堂』があることを知ってほしい。この本と展示が、『行ってみようかな?』というきっかけになったらうれしい」
と高橋さん。

展示は、12号館303教室で行われる。

 

「地域活動は面白い!」 そんな思いから、体験の経緯も紹介 

なお、同じ会場で、高橋さんと共に動いた関口さんの発表もある。

関口さんは、自分たちが地域活動と出会っていく経過をイラストを交えて展示紹介する予定で、「大学進学まで縁のなかった小平だけど、地域を知り、町の人を知っていくことで、どんどんと居心地が良くなっていくのを感じた。後輩たちにも地域参加を勧めたいので、バトンになるような展示をしたいです」と話す。

芸術祭は午前10時から午後6時(27日は6時30分)まで。誰でも入場できる。詳細は公式サイト参照を。

武蔵野美術大学 芸術祭(2024年)

 

【取材余話】

約1時間インタビューしたが、自分の言葉を持っている若者たち、という印象。地域活動に関わった理由として、「閉ざされた学校の勉強だけでは足りないと思っていた」と答えてきたのには、ほとんど驚愕した。自分たちが持っているデザインする力を、社会でどう生かせるのかを模索している様子。インタビュー後に世間話の延長で「就職は?」と聞くと、二人とも大手企業への内定を教えてくれた。なるほど、この二人ならば、と納得。二人が出演した地元エフエムラジオの番組が以下から聞けるので、良かったらどうぞ。https://spotifyanchor-web.app.link/e/nzwN6Z1mgNb (谷)

 

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