「子育てが楽しいと思ってもらえる街にしたい」 ママたちの“第2の実家”を目指す「ウイズアイ」 スタッフインタビュー

清瀬市で活動している子育て支援団体「ウイズアイ」。

未就園児の親を対象にしたグループワーク開催による仲間づくりの支援や、24時間体制の緊急一時保育など、子育て中のママたちにとっての“第2の実家”のような存在になることを目指して、さまざまな活動を行なっています。

今回は、同団体を立ち上げた増田恵美さんと、かつてはママとしてウイズアイのグループワークに参加し、現在はウイズアイのスタッフとして働く黒田さんのインタビューを掲載します。

(以下、一部敬称略)

ウイズアイの増田さん(=写真右)と黒田さん

第1回の記事はこちら

第2回の記事はこちら

“ママ”が“未来のスタッフ”、受け継がれていく思い

——現在、スタッフとして働く人の中には、かつてママとしてウイズアイを利用していた人もいるそうですね。

増田:はい。今日来ている黒田さんも、その一人なんですよ。(奥の部屋に向かって)黒田さ〜ん、今平気かしら?

黒田:はい、大丈夫です!

増田:昔はママとして、ここに来ていたのよね。

黒田:そうなんです。10年前、産後2ヶ月目の新生児訪問(※里帰り出産だったため、ひと月遅れ)に来てくれた方に「大人の人と話したいです……」と相談したところ、ウイズアイの「新米ママと赤ちゃんの会」を紹介してもらい、参加しました。ドアを開けたら「よく来たね〜。頑張ったね!」と歓迎してもらえて。

増田:赤ちゃんと外出するのって、大変じゃないですか。

 

——赤ちゃんの様子に気を配りながら、オムツや着替えなど、かさばる荷物をたくさん用意して移動しないといけないですもんね……。

黒田:私、結婚してこの町に住むようになったんです。でも、知り合いもいないし、特に子どもを産んでからは大人と話す機会がめっきり減ってしまって。社会から取り残されているような感じさえしていました。それが、「新米ママと赤ちゃんの会」に参加することで変わったんです。

 

体験者だからできること、気付くこと

——ウイズアイのスタッフの方も、他のママたちもいますもんね。黒田さんがスタッフとして関わり始めたのは、いつ頃のことなのでしょうか。

黒田:子どもが幼稚園に入ってからです。

自分が過去に困っていたので他のママを助けたいという気持ちもありましたし、子どもが幼稚園に行っている間の時間を有効活用したくって。

現在は、グループワークでの進行役(ファシリテーター)や、子育て講座の講師を務めています。

増田:黒田さんは地元の人ということもありますし、何より、ママ視点でのウイズアイを知っています。

だからこそ、ここに来るママさんたちの気持ちがよりわかるし、伝えたいと思うこともあるんですよね。

 

イクメンが増えた

——説得力が伴った接し方ができるのでしょうね。ウイズアイは清瀬市だけではなく、東久留米市や新座市、東村山市など他市の方も利用しているということですが、多くのママたちを見守ってきて感じる、この20年近くの変化というのはありますか?

増田:いわゆる“イクメン”のパパが増えたと思いますよ。同時に、休日もママをゆっくりさせるために頑張っていて、大変だろうなという気持ちもあります。

核家族が多い地域では、私たちのような団体の存在もそうですし、パパのサポートが欠かせません。民間団体として活動するにあたって、さまざまな葛藤と向き合わなければならないこともあるのですが、子育て中の家庭にとって、どのような環境が望ましいのか、ウイズアイも考え続けていかねばならないと思っています。

ウイズアイホームページ

編集部おすすめ

1

屈指のアイデアマン 神山伸一さん 現役課長が隣接市の副市長に――。 小平市職員の神山伸一さん(58)が小金井市副市長に任命されることとなり、「他市からの引き抜きは異例」と話題になっている。 大抜擢の理 ...

2

1975年に誕生した携帯サンドイッチの元祖・フジパン㈱の「スナックサンド」から、3月だけの期間限定で、「東村山黒焼きそば」と「ところざわ醤油焼きそば」が販売されている。 フジパン武蔵工場(入間市)の開 ...

3

3月3日は桃の節句。女の子の健やかな成長を祝うお祭りです。起源は古代中国の「厄祓い」の行事でしたが、日本に伝えられて江戸時代以降、現在のような形になりました。 ・・・と、暦をながめていたら、「ひな祭」 ...

4

全国のハンセン病療養所入所者たちが詠んだ詩が70年の時を経て現代に蘇る――4日から、東村山市にある国立ハンセン病資料館で、企画展「ハンセン病文学の新生面『いのちの芽』の詩人たち」が開かれている。同館に ...

5

ウクライナ出身のリリア・モルスカさんと、大学を通して交流を持った武蔵野大学の岩井雅治さん、菊地里帆子さん、山岸咲亜さんの4人で製作したウクライナを紹介する冊子「ひまわり」50冊が、西東京市に寄贈された ...

6

西東京市保谷こもれびホールの愛称が「タクトホームこもれびGRAFAREホール」に決まった。市が募集したネーミングライツ・パートナーに同市に本社があるタクトホーム㈱が選ばれたもの。GRAFAREは同社が ...

7

行政書士による「SDGs研究会」が発起 昨年1月に小平市で始まった無人の不用品譲渡「Baton BOX(バトンボックス)」が、1周年を経てさらに広がりを見せている。 これは、協力店先などに置かれた小型 ...

8

西東京市向台町の圡方隆一さん・仁美さん夫妻が、このほど、自宅の一部を改築し、「8cho8ma gallery(はっちょうやまギャラリー)」をオープンする。初回の展示会は6日㈮から。「若手作家を応援した ...

9

ウクライナの郷土料理・ボルシチを毎週木曜日にランチで提供――戦時下にある同国から避難してきたトゥロベーツ・エリザベータ(通称・エリザ)さんが、西東京市役所近くの創業サポート施設「リップル西東京」で食堂 ...

10

地元の出荷工場「東京エッグ」 玉子の黄身が濃くて、食欲をそそられる――。 西東京市泉町にある玉子出荷工場「東京エッグ」が敷地内に24時間稼働する玉子の自動販売機=下写真=を設置し、近隣で話題になってい ...

11

12月9日から 最大2000円分のお買物券が当たる!?――東久留米市で、9日㈮から「ブラック・ジャック×東久留米市スクラッチ」が実施される。 市内約290店舗が参加するもので、当たれば買い物券として使 ...

12

大手コンビニエンスストア「ファミリーマート」が行うフードドライブをご存じだろうか? 全国約1900店舗で実施され、この地域でも小平市や東久留米市で取り組まれている。小平市で連携するのはNPO法人「カモ ...

13

多摩六都科学館のプラネタリウムで、19日㈯から来年1月29日㈰まで、全編生解説の「全天88星座―光が語る天球の地図―」が投影される。 地域ゆかりのアーティスト・大小島真木さんが描いた星座絵とともに88 ...

14

小平市で最晩年を過ごし、同市名誉市民でもある巨匠彫刻家・平櫛田中の回顧談が、生誕150年の節目に合わせて発行された。1965年(94歳時)に語った、生い立ちから東京美術学校(現・東京藝術大学)で教えて ...

Copyright© タウン通信 , 2023 All Rights Reserved.