「いただきます」の声が聞きたくて  料理研究家  石原洋子さん

石原洋子さんは、テレビ番組「キユーピー3分クッキング」の出演をはじめ、レシピ集などの著書を多数出版している料理研究家です。

東久留米市にある自宅では、40年以上にわたって料理教室を開いています。

 

「食べてもらうのが好き」が原動力

「いまの日本は、食が氾濫しています。近年の市販品はおいしいし、すぐ食べられるのが魅力。料理するより安上がりになることもあり、豊かな時代だと感じます。

ですが一方では、食材を選んで作り、家族そろって食事をするということが時代とともに少なくなっている気がします」

料理が好きで、毎日の献立づくりを面倒に思ったことはないという石原さん。

「自分で食べるよりも、人に食べてもらうのが好き。何よりもできたてを食べるのが一番」

と話します。その思いが、台所に立つ日々の原動力になっているとのことです。

 

自由学園の食の教育が原点

料理をつくる喜びを体感したのは、幼稚園から20歳まで通っていた自由学園ででした。

同校では中学になると、毎日学年ごとに、交代で女子部約300人分の昼食を作るという教育があります。

「私の在学中は、約500人の生徒がいっしょに食事をしていました。

上手にできる時もあれば、思うようにできない時もある。それでも、皆そろって感謝の気持ちを持っておいしくいただきました。栄養面も加味された献立でした。

お弁当ではなく、手作りの昼食は心がこもったおいしさが感じられ、そのときの礎が今日に役に立っています」

 

「家庭でできるシンプルな味付け」モットーに

20代から続けている料理教室は、「料理を教えて」と頼まれたのがきっかけです。

モットーである「家庭でできるシンプルな味付け」が評判になり、生徒は徐々に増えていきました。

「家族が自宅で食事したくなるような料理をつくりたい」という考えに共感した方たちも多いといいます。

 

作り方、だけではなく

また、料理教室では、料理のつくり方だけではなくて食育も大事にしています。

「いまは忙しくて日々自分で料理する人が少なくなっているのが現実です。

できあいのもので暮らせる時代ですが、日々の家族の健康を考えて、心を込めて手作りの食事をおすすめします」

いしはら・ひろこ 東久留米市出身、同市在住。『本当は秘密にしたい 料理教室のベストレシピ』など、著書多数。

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