連載⑤最終回 学校に日常と違った 空間を

2017年1月1日

学校にカフェ

西東京子ども放課後カフェ メンバー・西原みどりさんコラム

 

中学校で「カフェ」を開催する――その理由を、これまで4回にわたってお伝えしてきました。

「カフェ」の良いところは、飲み物を手に、みんなが気楽に集まり、交流できるところです。「今日は何を飲む?」「お代わりは?」などと、自然と大人と子どもの間に会話が生まれるのも「カフェ」ならではです。

こんなふうに交流する中で、私たち大人は、子どもの様子を感じ取り、異変があれば、早め早めに対処をしていくことができます。

でも、交流の本当に重要なポイントは、そんな見守りの面だけではありません。

もうひとつの大事なこと。それは、親でもない、先生でもない、「地域の人」という応援団が身近にいるんだよ、というメッセージを、子どもたちに送り続けていくことです。

何か問題があるから集まっているのではないよ。日常風景として地域の人と接してもらい、学校の外にいる人たちも君たちの育ちを応援しているんだよ。そんなメッセージを、言葉ではなく、私たちの姿を通して発信していくのです。

    □   □

「カフェ」に来る生徒たちはいろいろな話をしてくれます。

熱心に宿題に取り組んでいるグループは、夏休みにはまだ間があるのに、「夏休みの宿題がいっぱい出たから、もうやってるんです」。1月には、面接練習から帰ってきた生徒が「校長先生と面接練習をしたが、マジたいへんだった!」とため息をつく姿がありました。

そこへ、「今経験しておけば、本番は緊張しないよ~」となぐさめるカフェのおばさんたち。

入試を控えた3年生は、しきりに「どうしよう、あせってきた」と話しかけてくることも。

昨年度の最後のカフェでは、常連さんの生徒が「1年間ありがとうございました。来年も楽しみにしています」と丁寧に頭を下げてくれました。

    □     □

これが、私たちが取り組んでいる中学校での「放課後カフェ」です。

学校に日常と違った空間があるって、素敵ではありませんか。

毎回10名前後のスタッフで運営しますが、カフェは子どもたちからエネルギーがもらえる楽しい仕事になりつつあります。あなたも地域の中学校に「カフェ」を作ってみませんか? 

地域の大人たちと子どもたちが自然と交流できる場所が増えることを願っています。

 

西原 みどり

西東京市在住。西東京市主任児童委員、西東京市青少年問題協議会委員、吹奏楽団ウインズパストラーレ代表など務める。2年前の円卓会議メンバー

 

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