町ぐるみで「虚弱」を防ぐ!

西東京市が東大と協定 「フレイル予防」 〜世界に向けてモデルをつくろう!

シニアの健康づくりは「まちづくり」――。

いま注目の概念「フレイル」(=虚弱)を町ぐるみで予防しようという取り組みが、このほど、西東京市で始まります。

最先端で研究を続ける東京大学と連携して進めるもので、目標に、全国の見本となる「モデル」の確立を掲げています。

14日には第一人者による講演会も開かれます。

(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)

協定書を交わす東京大学の飯島勝矢教授(左)と、医師でもある西東京市の丸山浩一市長

市民参加で、フレイル度合いをチェック

西東京市でまず取り組まれるのは、市民同士が協力し合って、それぞれのフレイル(=「虚弱」)の程度をチェックしていくというものです。

自己申請で簡単にできるチェックで、これを多くの人が半年に1回受けるという仕組みを構築していきます。その後は、さらなる「虚弱」予防の取り組みを多角的に展開していく意向です。

この取り組みのベースとなる概念「フレイル」は、虚弱や老衰を意味する「Frailty」に由来する造語です。

虚弱というと身体機能の衰えをイメージしがちですが、フレイルでは、精神面(こころ、認知)と社会性(孤立、閉じこもり)も対象とし、多面的な衰えを指しています。健康な状態から要介護に至る中間の状態を指しており、男性では約7割、女性では約9割の人がフレイルを経験するそうです。

この状態を防ぐことで健康寿命を延ばせるため、超高齢社会の中でどのようにフレイル予防をしていくかが急務となっています。

フレイル予防は昨年策定された「ニッポン一億総活躍プラン」でも、介護負担を減らす道筋として明示されています。

 

「フレイル予防=まちづくり」のワケ

フレイルは「社会とのつながり」の希薄化から始まるケースが多いといわれます。外出しなくなる、人と話さなくなる、といったことが、身体および精神の衰えにつながっていくためです。

そのため、その予防には、シニアの社会参加や外出機会の創出など、町ぐるみの取り組みが不可欠となります。そうした観点からいうと、「フレイル予防=まちづくり」と位置づけられそうです。

現在、研究をリードする東京大学高齢社会総合研究機構では、千葉県柏市など全国で5自治体ほどと協定を結び、町ぐるみのフレイル予防に取り組んでいます。学術的な理論に基づいた取り組みを市の事業として行い、その成果を再度、学術的に検証し直す仕組みです。

その取り組みの一つとして、東京都で協定を結ぶのは西東京市が初となります。西東京市への期待を、同機構の飯島勝矢教授はこう話します。

「フレイル予防には、世界中で関心が高まっています。世界は『東京』を見ているので、東京での取り組みは世界のモデルとなるでしょう。人口ボリュームもあるので、さまざまに取り組み、ここで『西東京モデル』を築き上げたいと考えています」

なお、西東京市が協定先に選ばれたのは、丸山浩一市長が医師でもあり、その市政も「健康」をテーマにしていることが影響しています。

 

講演会、14日に

取り組みの第1弾として、14日午後1時から、西東京市民会館で、飯島教授の講演会「元気に暮らせる時間をのばそう!」も開かれます。定員500人。詳しくは同市高齢者支援課(042・464・1311 内線2391)へ。

(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)

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