新型コロナウイルス

在宅診療NOW

まつばらホームクリニック 松原清二院長のコラム

 

昨年末に中国湖北省武漢市で数十人発症した新型コロナウイルス感染症があっという間に世界中に広がり、ちょっとした咳症状にも敏感になる方が多くなりました。私の訪問診療でも肺炎治療には今まで以上に神経を使うようになりました。

 

在宅診療での肺炎処置事例

先日はこんな例がありました。

筋萎縮性側索硬化症で、最近、痰を吐き出す力がやや落ちていた方がいるのですが、痰絡みの咳がひどくなり、熱も出るようになったので、まずは通常の初回の抗生剤治療を行いました。

ところが改善が乏しく、車椅子に座る体力もなくなって身体が横にずれてしまうほどだったので、すぐに2剤目の抗生剤治療に切り替え、排痰補助装置の設定を調整したりして、速やかな改善を見ることができました。このときは、自分が経験してきた治療範囲内で治まって本当に良かったと思いました。

 

持病がある方への注意

ただ、この時期、新型コロナウイルス感染症に対する知識は大切で、武漢から報告された138人の入院症例では、約半数弱は高血圧、糖尿病、心疾患の一つは有しています。この事実を見ると、こういった持病のある方もしくはご家族、患者さんに関わる介護の方々は、手洗い、うがい、消毒は入念にする必要があると思います。

 

地域を守るために

今、世界中が新型コロナウイルスと闘い、世界中の人が感染予防のために家に閉じこもり、世界経済が混乱し、大変な状況になっています。物資も滞りがちですが、そんな世の中を懸念して、我々にマスクを提供してくださり、日頃の診療を応援してくださる方々もいます。

そういった方々のためにも、我々としては院内から感染対策に留意し、ご自宅に安定した医療を提供し続けたいと思います。

プロフィール

松原 清二

在宅療養支援診療所「まつばらホームクリニック」院長。東京医科大学卒業後、複数の病院勤務を経て、2015年5月に同院開院。西東京市を中心に、練馬区・東久留米市・武蔵野市・新座市などの一部地域を訪問診療で回っている。総合内科専門医、循環器内科医。日本循環器学会専門医、日本内科学会認定医、認知症専門医、認知症サポート医。公式ホームページ:まつばらホームクリニック

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