ボランティア座談会 子ども食堂への思いは――

2023年1月4日

保谷こもれびホールに関わる市民が語らい

将来への不安をぬぐえない社会情勢のなか、地域の各所で、人々をつなごうとする活動が見られている。その代表例が「子ども食堂」だ。今回、新春企画として、西東京市保谷こもれびホールで開かれている子ども食堂にボランティア参加するメンバーに集まっていただいた。座談会で語られた、一人ひとりの思いとは――。

 ***

「こども食堂 もぐもぐ」は、同ホール内のカフェラウンジ「はなみずき」を利用して月に1回開かれている。昨年6月のスタート以降、毎回100人前後が来るほどにぎわっている。文化施設の強みで、絵本の読み聞かせや紙芝居などのイベントもできるのが特徴だ。

当初は「町の文化施設としての地域貢献」で始まったが、今では、食材を提供する協賛団体や市内・近隣に住む人たちがボランティアで運営に大きく関わっている。その一人で米を提供している市内の「野口米店」店長・野口晃さんは、協賛の動機を「日本国内では、米は自給率ほぼ100%。その提供は米店の責務だと思った」と話し、こう続ける。

「子どもたちに手作りのおいしさを伝えたい。心を込めて、人の手で握ったおにぎりのおいしさをね」

同じく、野菜を提供している市内の「風琳青果」の店長・大澤俊光さんは、孤食が多い現状に心を痛めている。「大勢で食べるご飯のおいしさ、温かさを子どもたちに知ってほしい」という思いで協賛を決めた。

保谷こもれびホール内のカフェ「はなみずき」で開かれている「こども食堂 もぐもぐ」の様子

 

  ◇  ◆  ◇

開店時の受付や接客を担うのもボランティアの人たちだ。子どもだけの来店も少なくなく、コミュニケーションが必要となる場面は多い。

ボランティアの今中友子さんは「まずは声をかけますが、子どもの様子次第で、今日はそっとしておこうとか、そんな気配りも大事です」と話す。

最初はそっけなくても、回を重ねるうちに心を開いてくれることは珍しくない。

また、根本京子さんは「子どもと直接話すことでその子の状態を直に知ることができ、年長者なりのアドバイスができたりします。生きがいを感じる瞬間です」と、ボランティアが自身のやりがいになっていることを口にする。

 

座談会の様子。昨年11月26日の「食堂」開催後にメンバーが語り合った

 

  ◆  ◇  ◆

実は、「こども食堂『もぐもぐ』」は本年3月で終了となる。同ホールの指定管理者が替わるためで、今後の開催などについては未定だ。

しかし、関わってきた人たちは皆、「この経験を生かしたい」と強く声をそろえる。

果物を提供する西京信用金庫保谷支店の支店長・山口政明さんは「子ども食堂のご飯と果物が、子どもたちの心まで満たせれば。そして、彼らが大人になったとき次の世代へと新たな支援をつなげていってくれたらと願います。そんな循環を信じてこれからも支援したいです」とほほえむ。

また、最年少でボランティア参加する武蔵野大学3年生の古橋浩太さんは、「我々若い世代が地域の未来を担っている。誰もが安心して暮らせるまちづくりのために何ができるか勉強をしていく」と目を輝かせた。

  ◇  ◇  ◇

同ホールの指定管理者・㈱JTBコミュニケーションデザインの芦田さんは、「子ども食堂を通じて共助の輪が広がり、この先の地域の未来につながっている。築いてきたつながりはぜひ継続させたい。公共施設の枠を超え、子どもの安全な居場所作りを追求し続けていく」と話している。

なお、座談会には行政関係者も参加した。西東京市文化振興課の笹野隆さんは「『もぐもぐ』はホール内のカフェ運営の一つの提案」と評価する。「初回から回を重ねるごとに工夫を凝らし、地域の人たちの協力も増えていると感じる」

また、西東京市ほっとネットステーションの長谷川恵弥さんは「今後もいろいろな場所・形態で行ってもらえるとありがたい」と期待を寄せた。

     ◇

次回の「もぐもぐ」は28日㈯午前11時から午後3時まで開かれる。300円(高校生以下無料)。メニューは当日決定予定。

詳しくは同ホール(☎042・421・1919)へ。

(取材記者・三好圭子)

2022/7/4

さらに広がる「子ども食堂」  ~地域交流の場に~ 西東京市の事例から

西東京市保谷こもれびホール内のカフェラウンジ「はなみずき」で、先月25日、「こども食堂 もぐもぐ」がオープンした。 公共文化施設のカフェが開放される背景には、貧困家庭への支援から広まった「子ども食堂」が、最近では地域交流の場になってきていることなどもある。 同市では、そうした社会的機能に着目し、助成事業も始めている。   保谷こもれびホールで「もぐもぐ」開始 オープン日。昼時に訪ねると、店内は活気にあふれていた。 父子、母子、知り合いの家族同士、子ども同士など訪れる人はさまざま。来場者の「子ども ...

ReadMore

こども食堂 もぐもぐ

編集部おすすめ

1

実感としては寒さの底でも、2月は立春を迎えて、春の気が立つころ。日脚は日々のびつつあって、まさに「光の春」です。 干支九星の世界では、立春が一年の起点。ですから、九星占いでは立春以降(翌年の節分まで) ...

2

行政書士による「SDGs研究会」が発起 昨年1月に小平市で始まった無人の不用品譲渡「Baton BOX(バトンボックス)」が、1周年を経てさらに広がりを見せている。 これは、協力店先などに置かれた小型 ...

3

春風献上。 2023年は十二支でいえば卯年、九星でいえば四緑木星年。 「卯」は温和で明朗ながら、「うっかり」することも多い星。一方の「四緑木星」は、春風をあらわす穏やかな星です。マイナス要素としては「 ...

4

西東京市向台町の圡方隆一さん・仁美さん夫妻が、このほど、自宅の一部を改築し、「8cho8ma gallery(はっちょうやまギャラリー)」をオープンする。初回の展示会は6日㈮から。「若手作家を応援した ...

5

ウクライナの郷土料理・ボルシチを毎週木曜日にランチで提供――戦時下にある同国から避難してきたトゥロベーツ・エリザベータ(通称・エリザ)さんが、西東京市役所近くの創業サポート施設「リップル西東京」で食堂 ...

6

地元の出荷工場「東京エッグ」 玉子の黄身が濃くて、食欲をそそられる――。 西東京市泉町にある玉子出荷工場「東京エッグ」が敷地内に24時間稼働する玉子の自動販売機=下写真=を設置し、近隣で話題になってい ...

7

12月9日から 最大2000円分のお買物券が当たる!?――東久留米市で、9日㈮から「ブラック・ジャック×東久留米市スクラッチ」が実施される。 市内約290店舗が参加するもので、当たれば買い物券として使 ...

8

コロナ禍の下で迎える3回目の師走となりました。 12月は二十四節気の大雪(7日)、冬至(22日)と続いて、冬のまっさかり。冬至の前後は1年中で夜の最も長い、「陰」の深い時期です。 でも、この時期をすぎ ...

9

大手コンビニエンスストア「ファミリーマート」が行うフードドライブをご存じだろうか? 全国約1900店舗で実施され、この地域でも小平市や東久留米市で取り組まれている。小平市で連携するのはNPO法人「カモ ...

10

多摩六都科学館のプラネタリウムで、19日㈯から来年1月29日㈰まで、全編生解説の「全天88星座―光が語る天球の地図―」が投影される。 地域ゆかりのアーティスト・大小島真木さんが描いた星座絵とともに88 ...

11

小平市で最晩年を過ごし、同市名誉市民でもある巨匠彫刻家・平櫛田中の回顧談が、生誕150年の節目に合わせて発行された。1965年(94歳時)に語った、生い立ちから東京美術学校(現・東京藝術大学)で教えて ...

Copyright© タウン通信 , 2023 All Rights Reserved.