コロナ禍のフレイル

在宅診療NOW

まつばらホームクリニック 松原清二院長のコラム

 

新型コロナウイルス感染症による災害的な状況に緊張を強いられて過ごす日々が、1年半以上になっています。足腰が弱っている方々も、たくさんお見受けするようになりました。

ご年配の方で病院に通院されている方では、以前は受診の帰りに、“街ブラ”をして外食をするのを楽しみにしていたり、何年も通っていて自分のことを分かってくれているかかりつけ医と話すことで心が癒やされる……といった状況がありました。

しかし、そんなことがコロナ災害でできなくなり、外を出歩かないため老化現象が進んでしまった……という方が増えつつあります。  

部屋の中を歩くのがやっと――という、いわゆるフレイルの方も増えてきており、以前から在宅医療を外来で勧められていた方が当院に訪問診療を依頼してくるケースも多くなっています。  

こういったケースで問題になるのは、転倒と骨折です。とくに高齢者の骨折は、骨強度が低下する骨粗鬆症によるものが多く、部位としては、背骨や大腿骨、腕の骨折が多く認められます。特に大腿骨頸部、転子部骨折は発症から1年後の死亡率が10%程度認められており、社会問題となっています。骨粗鬆症の早期発見と取り組みは大切です。  

次回は当院での骨粗鬆症に対する取り組みについてお話ししていきたいと思います。

プロフィール

松原 清二

在宅療養支援診療所「まつばらホームクリニック」院長。東京医科大学卒業後、複数の病院勤務を経て、2015年5月に同院開院。西東京市を中心に、練馬区・東久留米市・武蔵野市・新座市などの一部地域を訪問診療で回っている。総合内科専門医、循環器内科医。日本循環器学会専門医、日本内科学会認定医、認知症専門医、認知症サポート医。公式ホームページ:まつばらホームクリニック

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