豊島屋酒造

東村山にある酒蔵

東村山市にある「豊島屋酒造」は、「金婚」「屋守(おくのかみ)」などの銘酒で知られる酒蔵です。

特に、明治天皇の銀婚式にあやかって命名されたという「金婚」は、明治神宮、神田明神の東京二大神社の御神酒として納められている唯一のお酒です。

また、豊島屋酒造は現在、白酒を醸造する日本で唯一の酒蔵となっています。

さらに、樽酒を結婚式に用いる風習も、豊島屋から始まったといわれています。

直売所も併設する豊島屋酒造

1596年、江戸の一杯飲み屋が始まり

その歴史は、1596年までさかのぼれます。

江戸城建設のための人足でにぎわう神田鎌倉河岸で、初代・豊島屋十右衛門が酒屋兼一杯飲み屋を始めたのがその興りと伝わっています。

十右衛門は、江戸では草分けとなる白酒の醸造を始め、今の居酒屋の原型ともいえる酒の肴の提供などを行って、店を繁盛させました。

後に豊島屋は豊島屋本店となり、その醸造元として、昭和初期に東村山の現在地に酒蔵を設立しました。それが豊島屋酒造です。

 

150メートルの地下から水を汲む

東村山の地が選ばれた理由の一つは、もちろん、都心の「本店」との近さがあります。

それに加えて、東村山には、酒造りに適した水がありました。

豊島屋酒造がある現在地には、以前、別の酒蔵があったといいます。当時は80メートルの地下から水を汲んでいたそうです。

豊富な水脈を示すように、酒蔵の前には、現在は保存樹木にも指定されているケヤキの大木があります。

豊島屋酒造は、さらに深い150メートルの井戸を掘り、現在もそこから水を得ています。

(豊島屋酒造ホームページから転載)

甘みとキレ、にこだわり

そんな豊島屋酒造のお酒の特徴は、「ふっくらとした甘みとキレの良さ」だそうです。

同酒蔵の営業部長で、酒造りに20年以上かかわる田中孝治さんはこう話します。

「甘いもの、華やかなもの、など酒質によってさまざまありますが、蔵として大切にしているのは、口にふくんだときに感じるお米の甘さと、余韻の短さ。それがウチの特徴ですね」

 

地域に根ざし、人の縁を醸す

豊島屋酒造では、酒蔵に直売所も設けて、ここでしか買えない限定酒の販売も行っています。

限定酒は搾り立ての酒がほとんどで、フレッシュな味わいを楽しめます。

「せっかく酒蔵までお越しくださった方々に、特別なものをお求めいただきたいと思って限定酒販売を行っています」

と田中さん。

ちなみに、この直売所は「醸しの場」と命名されており、時にはイベントなども開かれています。

「お酒は人と人の縁をつなぐもの。私たちはお酒を醸すのと共に、人の縁も醸したいと考えています」

と田中さんは話します。

そんな方針を持つ豊島屋酒造では、秋に新酒お披露目のフェスティバルを開くなど、地域に根差し、さまざまなイベントも開いています(イベントの予定などはFacebookで紹介されています)。

酒蔵やイベントなどについてお聞きしたインタビューを約8分の動画に編集しています。

最後には、視聴者に向けたメッセージもいただきました。ぜひご覧ください。

動画(7分52秒)

ポイント

豊島屋酒造

公式ホームページ

◎042・391・0601

◎東村山市久米川町3-14-10

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