コロナによる緊急事態宣言なら西東京市長選挙はどうなる?

2021年1月5日

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が一都三県に対して出されようとしており、その期間は概ね1カ月と見られています。

仮に1月7日から1カ月間の緊急事態宣言がされた場合、2月7日は日曜日のため、週末の外出自粛を求める意味でも、恐らく解除されるのは2月8日・月曜日。

となると、西東京市民としては気になることがあります。

市長選挙です。

任期満了に伴う西東京市長選挙は、2月7日(日)の投開票で予定されています。

緊急事態宣言が出た場合、市長選挙はどうなるのでしょうか。

調べてみました。

(※編集部注 選挙は終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)

 

昨春の緊急事態宣言下では都内で3自治体が選挙

まずは過去の事例を……と思って昨年春の選挙状況を調べたところ、あっけなく、実施例が見つかりました。

前回の「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」の期間中(4月7日〜5月25日)、東京都内で3つの選挙が実施されています。

◎目黒区長選挙(4月19日投開票)

◎福生市長選挙(4月26日投開票)

◎奥多摩町長選挙(5月17日投開票)

の3つです。

何のことはありません。緊急事態宣言で「外出自粛」が求められていても、選挙は予定通り行われたということです。

都内だけでも3自治体の前例があるわけですから、西東京市長選挙は予定通り行われることでしょう。

ただ、そうなると一つ気になるのは、投票率です。

ただでさえ投票率の低下傾向があるなか、「外出自粛」を理由に、いっそうの低投票率を記録することが予想されます。

ということで、先述の3自治体を例に検証してみました。

 

目黒区では投票率がアップ

まずは目黒区です。

こちらは現職が5選目に挑むという選挙で、立候補者は3人でした。結局、現職が当選したのですが、有権者が22万9594人もいるなかで、次点との得票差はわずかに3270票。なかなかの “熱戦”でした。

が、気になる投票率は、33.33%。

あれ? ずいぶん低い投票率で、“熱戦”ではなかったのね……、
と思って冷静にデータを見ると、なんと前回の投票率は26.02%。その前は26.94%ということが分かりました。

実は、今回記録した33.33%は、「平成」以降に実施された9回の区長選挙で最も高い投票率だったのです。

ということは、(投票率自体の低さは別として)緊急事態宣言によって投票率が下がるということはないといえそうです。

緊急事態宣言の中で行われた目黒区長選挙の選挙公報より。「コロナ」対策が案内されていた

 

福生市は投票率ダウン

「緊急事態宣言と投票率は関係ない」。

目黒区の実例からそう証明されたようにも思いますが、せっかくなので、福生市の事例も見てみます。

こちらは、現職が4選目に立候補した選挙で、対立候補との一騎打ち。結果は、現職が対立候補の3倍以上を得票するという圧勝でした。

で、気になる投票率は……31.29%。

前回投票率は38.31%なので、こちらは投票率が下がっています。

もっとも、福生市長選挙は、2004年の無投票選挙以降、

45.91%(2008年)
 ↓
39.54%(2012年)
 ↓
38.31%(2016年、前述)
 ↓
31.29%(2020年、前述)

と、投票率の低下傾向がくっきり。

今回の得票数からすると、ある程度結果の見える選挙だったため、投票率がぐっと下がった、といえそうです。

 

非常時では、現職が有利か?

ところで、この2例を見ると、投票率の件とは別に、気になることが一つ出てきます。非常時での選挙は現職に有利に運ぶのでは―—との問いです。

考えてみれば、非常時ほど実績ある現職を選びたがるというのはあり得る話です。よほどの失政でもなければ、非常時に現状を変えようというのはリスクが大きいものでしょう。

さらに、選挙戦自体も、もともと知名度のある現職は圧倒的に有利といえます。外出自粛という特殊な状況下では、街頭演説やポスター掲示の威力は半減。人との接触も減らさねばならず、いわゆるドブ板選挙もできない状況です。

つまり、緊急事態宣言は現職に有利に働く―—との仮説が成り立つわけで、実際、目黒区、福生市ともに、長期政権が生まれています。

が! ここで「待った」をかけるのが、奥多摩町の前回選挙でした。

 

73%もの投票率で現職を破る

奥多摩町の選挙も、目黒区、福生市同様、長期政権を目指す現職(5選目の選挙)と、対立候補者の一騎打ちでした。

こちらもなかなかの熱戦で、4489人の有権者がいるなかで、423票差で新人候補者(元町議会議員)が当選しています。

投票率は、目黒区や福生市の倍以上にあたる73.13%。無投票だった前回を挟み、その前は70.83%だったため、こちらは緊急事態宣言中にもかかわらず、「投票率は伸び」、「新人が現職を破る」という選挙になっています。

ただし、一点注意をしたいのが、5選目を目指した現職の年齢です。奥多摩町の現職は76歳での立候補。いかに長寿社会とはいえ、4年の任期を満了したときには80歳になっているわけで、それを有権者が嫌った可能性は小さくありません。

ちなみに、同じく5選の目黒区現職は65歳(選挙時)で、問題になるような年齢ではありませんでした。

 

「緊急事態宣言」と「選挙」はあまり関係ない

ともあれ、この3例を並べてみると、一応の結論としては、「緊急事態宣言の中でも選挙はきちんと機能する」となりそうです。

結局のところ、選挙のポイントは候補者の顔ぶれによるところが大きいのでしょう。

今回の西東京市長選挙は、現職の後任候補者となる池澤隆史前副市長と、元逗子市長の平井竜一氏による、新人二人の一騎打ちの見込みが高くなっています。

共に新人という点が投票率にどう影響するのでしょうか。

ちなみに、西東京市長選挙の過去の投票率は、合併した2001年以降、

49.64%(2001年)
 ↓
45.69%(2005年)
 ↓
37.19%(2009年)
 ↓
36.93%(2013年)
 ↓
32.90%(2017年)

と、下がり続けています。

ただでさえ、冬の選挙は、寒さ、インフルエンザ、降雪の恐れなどで投票率を押し下げる要因がそろっています。

そこに加えての新型コロナウイルス。

投票率が下がる可能性は高そうですが、選挙が行われる以上は、しっかり意思表示をしたいものです。

(※編集部注 選挙は終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)

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