公立昭和病院「病床ひっ迫」の報告 コロナ専用病床は70%稼動

2021年1月12日

北多摩エリアの中核病院で、第2種感染症指定医療機関および救命救急センターでもある「公立昭和病院」(小平市)に、病床のひっ迫状況を確認したところ、上西紀夫院長から以下のような連絡をいただきました。

地域の中核病院となる「公立昭和病院」

 

公立昭和病院は、新型コロナウイルス感染症患者の治療にあたっており、昨年春からは「コロナ」感染者を収容する40床の『感染コホート病棟』を稼動しています。

昨年11月初旬の上西院長へのインタビューでは、コホート病棟の稼動は多いときでも15床程度(37.5%)とのことでしたが、1月下旬頃には稼働率100%になる予定とのことで、医療崩壊の恐れまで示唆されています。

なお、タウン通信からは、病院の負担にならないよう、質問を「現在の病床のひっ迫具合」と「感染コホート病棟の使用状況」の2点に絞ってお尋ねしました。

以下、上西院長からのコメントをそのまま掲載します。

 

【公立昭和病院における現状の病床のひっ迫具合について】

入院している新型コロナウイルス感染陽性者25人前後のうち、半数が重症~中等症。
さらに軽症であっても高齢者が多いため、治療の負担が極めて重く、さらに救急患者が激増しており対応が困難になりつつあります。

これ以上重症の「コロナ」患者が増加し、三次救急を含めた救急患者が増加した場合は、心不全、脳卒中、がん患者などの通常の疾患の治療ができなくなり、医療崩壊になります。

 

【感染コホート病棟の使用状況】

現在、感染コホート病棟の病床の70%を稼動していますが、看護体制の検討、備品などの整備を進めており、今月下旬頃からは100%稼働の予定をしています。

ただし、急激に「コロナ」患者が増えてそれ以上の病床が必要となった場合は、上記のごとく医療崩壊になります。

くれぐれも、夜に限らず不要不急の外出を控えてください。

また、発熱などの症状が出た場合は、早めにかかりつけ医を受診してください。

早期に診断できれば治療により重症化の可能性は低くなります。

院長・上西紀夫

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