川崎平右衛門に学ぶ「新しい働き方」 協同労働とは?

2021年11月3日

11月19日(金)「労働者協同組合法」成立記念事業「第5回川崎平右衛門研究会」が小平市ルネこだいら中ホールにて開催される。(主催 川崎平右衛門顕彰会・研究会)」

これは、昨年12月に国会で「労働者協同組合法」が成立したことの記念事業でもある。川崎平右衛門は、江戸時代、多摩・新座・入間・高麗の4郡に82の新田開発を行い、その後も美濃三水の治水、石見銀山の再建に尽力し、「協同労働」の先駆けといわれている。

 

協同労働とは?

「協同労働」とは、「出資」+「労働」+「運営」の三位一体の仕組みである。働く人が出資をして組合員となり、一人一票の決定権をもつ対等な関係である。全員が事業運営に参加し、経営方針も自分たちで決定するため、それぞれが主体的に運営に関わり、地域の多様な需要に応じながら持続的な地域社会づくりに向けて事業を行う働き方ができる。

平右衛門は、新田開発を成し遂げるにあたり、お守をされる子どもにまで村人全員に役割を与え、給料として穀物を支給した。一人ひとりを公正に認めることで住民の一体感を生み出し、協同して働くことで地域を作り上げた、まさしく地域貢献、地域連携を大切にした「協同労働」といえる。

研究会当日は、主催の川崎平右衛門顕彰会・研究会会長大石学氏の講演「川崎平右衛門の武蔵野新田政策の歴史的位置」のほか、研究発表や「小平での協同づくりと川崎平右衛門」と題したパネルディスカッションが行われる。パネリストには、FEC自給圏(食糧(Foods)・エネルギー(Energy)・ケア(Care=医療・介護・福祉)をできるだけ地域内で自給することがコミュニティの生存条件を強くし、雇用を生み出し、地域が自立することにつながるという考え方)の観点から、在宅診療専門診療所・ケアタウン小平クリニック院長 山崎章郎氏、学習型体験農園「みのり村」村長粕谷英夫氏、東京農工大学名誉教授淵野雄二郎氏のほか、本事業の後援団体、日本労働者協同組合(ワーカーズコープ連合会 以下、ワーカーズコープ)の扶蘇文重氏が登壇する。

 

なぜ今、協同労働なのか

では、どうして今「協同労働」が着目されているのか。

協同労働の働き方を実践し、普及し続けているワーカーズコープ連合会センター事業団副理事長・藤田徹さんは、協同労働の価値について、こう語る。

「自分自身のもつ経験やスキルで、自分の住む地域に労働力を提供することができます。だれもが主体的に働くことができ、なおかつ経営も担うことができるのです」

この言葉通り、協同労働の事業分野は幅広い。高齢者介護事業、保育・学童保育などの子育て支援事業、農業や林業などの一次産業、住宅関連・清掃・管理など、地域においての多様な需要に応じて行える。

例えば、北多摩エリア(西東京市・東久留米市・小平市・東村山市)でも、保育園や放課後デイサービスなどの事業が営まれている。

「平右衛門が、住民の力を集めて、だれにもできないといわれていた武蔵野の新田開発を実現した視点は、現代の地域をどう作っていけばいいかを考えるうえでとても参考になるはずです。19日の研究会には、歴史が好きな人だけではなく、協同労働に興味のある人たちにもぜひ足を運んでもらいたいです」(藤田さん)

左から藤田さん、店主の貝塚さん、酒見さん(国分寺市にある「SUNベジカフェ」にて)

 

また、今回の研究会をはじめ、ワーカーズコープと連携して活動している日本社会連携機構は、「協同労働による『仕事おこし講座』入門編(全2回)」を来年1月に、小平で開催する。 

担当の同機構事務局 酒見友樹さんは、研究会と合わせて、講座への参加を呼びかけている。

「協同労働で地域と人を活かして仕事をすることは、自分の住む街が活性化し、自分たちも潤っていくというとても良い循環が生まれることになります。

労働者協同組合(ワーカーズコープ)法が成立し、2022年10月1日にいよいよ施行されます。市民や働く者が3人以上集まれれば届け出でワーカーズコープ法人を設立でき、地域に必要な仕事を協同労働という新しい働き方で生み出すことができるようになりました。

持続可能なコミュニティの実現も法の目的に記載されています。ぜひ、この法を使った仕事おこし、まちづくりに挑戦してみませんか?まずは入門編としてのセミナーにご参加ください」

 

第5回 川崎平右衛門研究会

日時 2021年11月19日(金)12:30〜16:30

会場 ルネこだいら・中ホール

参加費 1,000円(資料代)

申込方法・詳細は、川崎兵右衛門顕彰会・研究会(担当 木谷)まで電話でお問い合わせを

TEL 080-5895-3960 (木谷)

 

同労働による『仕事おこし講座』入門編(「全2回)」

第1回 2022年1月8日 (土)9:30~11:30    

  『労働者協同組合(ワーカーズコープ)法とは?』 

第2回 2022年1月20日(木)9:30~11:30

  『協同組合による仕事おこしの事例を知ろう』

会場:ルネ小平レセプションホール

 

問い合わせ・詳細は、担当の酒見さん(03-6907-8051)か、日本社会連帯機構HPhttps://rentai.roukyou.gr.jp/ へ。

今回の取材は、ワーカーズコープが運営する国分寺「SUNベジカフェ」で行った。1階は、地場野菜を使用したメニューを提供するカフェで、2階は障がいのある子供たちの学童保育を行なっている。

https://sunvegecafe.business.site

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