【文化の日・特別対談】 こもれびホール×アースデイネット 文化の力で世界は変わる コロナ禍で踏み出すSDGs

持続可能な社会のために文化の力が必要だ――「文化の日」に合わせ、本紙では、文化を切り口に環境問題やSDGsに取り組む地元の2者の対談を行った。

多くの環境団体が参加する「アースデイネット連絡協議会」からは代表の川地素睿さんと事務局長の田中敏久さん、西東京市の文化ホール「保谷こもれびホール」からは事業担当の芦田文さんにご参加いただき、「文化を通して地球や自然の素晴らしさを実感し、他者とつながれる」などと語り合った。 (以下、敬称略)

左からアースデイネット連絡協議会事務局長の田中敏久さん、同代表の川地素睿さん、保谷こもれびホール事業担当の芦田文さん

 

川地「アースデイネットは、音楽や紙芝居、動画の配信など文化の力を活かして、コロナ禍でもつながりを持ち続けようと活動しています。
発足のきっかけは、この地域で約30年続いた市民主導のアースデイイベント(※1)がコロナ禍で中止になったこと。
そんな私たちの活動に芦田さんが関心を寄せてくださり、保谷こもれびホールとのつながりができました」

芦田「私自身、コロナ禍がきっかけで意識が大きく変わりました。人間社会と関係なく咲き誇る花々を見て、環境やSDGsへの関心が高まりました。
自然を、動物を、そして自分や周りの人を大切にして、心豊かな日々を過ごせるように願いを込めたコンサートを企画しました。東京交響楽団の弦楽四重奏団の演奏と、ナビゲーター・飯田有抄さんのお話をお楽しみいただける『クリスマスコンサート』を12月19日に開きます。
その舞台は、流通に出回らなかったお花(ロスフラワー)で飾ります。また、環境に優しいレシピの紹介や、アースデイネットの皆さまによるSDGsの展示コーナーを設けます。  このように環境をテーマにしたコンサートですが、『環境問題』と難しくせず、楽しい音楽を聴きながら自然環境について感じてもらえたらと考えています。ぜひ、感じたことを持ち帰っていただきたいです」

芦田文さん

 

田中「『持ち帰る』というのは、とても有意義なコンセプトですね。身近なところで続ける、というのが大事ですから。
実はアースデイネットでは、今年夏の『情報紙』で『おうちSDGs』という提案をしました。例えば、庭やプランターで植物を育てて、そこに来る生き物を観察しよう、といった身近にできる提案です。
やってみると、小さなプランターでの栽培でも、ちゃんと実がなり、花が咲き、虫が来るなど、発見・感動があるのですね。
私たちは今、谷戸町にある商業施設『フレスポひばりが丘』の屋上をお借りして子どもたちと野菜を育てているのですが、作業を嫌がる子なんていません。みんな楽しそうに植物の世話をしています。
そうやって実際に生き物の世話をし、その命を感じることが大切なのだと思います」

川地「今回のコンサートですが、曲目もいいですね。ヴィヴァルディの『四季』(冬)やハイドンの『弦楽四重奏曲《ひばり》』など自然に関するものです」

川地素睿さん

 

芦田「お子さまからご年配の方まで楽しめるように、自然がテーマの親しみやすい曲を集めました」

川地「音楽でも絵画でも、古典といわれるものは自然を賛美しているものが多いですよね。改めて考えると、SDGsは別に今始まったことではなくて、同じ精神で昔から人々の活動はあったのだと思います」

田中「私は学校教員だった頃から、『環境問題教育が環境教育の全てではない』と言っていました。公害などの環境の問題を取り上げがちなのですが、問題から入るとネガティブに捉えてしまう。そうではなく、自然や地球の生態系の素晴らしさ、命の尊さを実感し、それを守るために環境の問題に向き合うのがあるべき姿と思います。
そうするときに、文化の持つ力は絶大です。私たちはジョン・レノンの『イマジン』に独自の詞を付けたアースデイソングを作っているのですが、『地球を守りたい』と歌うたびに、思いを深くしますし、皆さんと共感していきたいと思います。
保谷こもれびホールは地域の文化拠点ですから、これからの企画に期待していますし、今後もご一緒できればと思っています」

田中敏久さん

 

川地「コロナ禍をきっかけに世界が変わろうとしています。それがどう変わるのかが大事です。
その手がかりになるのがSDGsです。SDGsの17番目はパートナーシップなのですが、やはり人と人とのつながりの中でで取り組むことが大事です。そのときに、人々を結びつける『文化』の力は、本当に大きいですよね」

     ◇

12月19日の「クリスマスコンサート」は午後2時から。2000円(高校生以下800円、3歳以下の膝上鑑賞は無料)。詳しくは同ホール(042・421・1919)へ。

(※1)アースデイは地球について世界で考える日で、世界各所の多くの場では4月22日にイベント等が行われる。1970年から実施。西東京市の地域では90年から主に5月に市民主導で開かれてきた

 

アースデイ秋フェス

アースデイ西東京2021「秋のフェスティバル」が、11月20日から12月12日まで開かれる。

会場・日時を分散しての実施。主な企画は以下。

◆オープニングイベント=11月20日午前10時~、いこいの森公園パークセンター
◆菜の花エコ野菜販売と活動紹介=12月5日午前9時~、北町エコ畑(北町2の1373)
◆秋の雑木林散策=12月5日午前10時~、西原自然公園 
◆エンドイベント=12月12日午前10時~、フレスポひばりが丘

他イベント多数(下チラシ画像)。
お問い合わせはメール(EDNET20@outlook.jp)で。

秋のフェスティバル・ポスター

編集部おすすめ

1

お盆休みや終戦記念日といった、いつもとは違う時間の流れる8月。コロナ禍も3回目の夏です。さらに異常気象による豪雨や猛暑のなか、物騒な事件もおこって、みんな心の平静を保つのが容易ではありません。 学生さ ...

2

二十四節気の小暑、大暑とつづく7月は、いよいよ暑さもたけなわ、夏本番。 そして、20日は夏の土用の入り。土用は来月の立秋を迎えるまで、約18日間つづきます。 昔の農家では土用に入った日から3日目を「土 ...

3

95品を期間限定で 西東京市の小中学生が考案した地元野菜を使ったメニューが、実際に同市の飲食店18店舗で販売されている。先週15日㈮に始まった夏季限定企画で、8月31日㈬まで。販売店舗やメニューの詳細 ...

4

小平市にあるガスミュージアムで、ガス事業誕生150年の企画展「日本のあかりのうつりかわり―古灯器からガス灯へ」が開かれている。9月19日㈪㈷まで。 ガス灯の前史として、薪(まき)、油、ろうそくなどを用 ...

5

小平市にある武蔵野美術大学 美術館・図書館で、「みんなの椅子 ムサビのデザインⅦ」と「原弘と造型:1920年代の新興美術運動から」の2つの企画展が開かれている。 いずれも8月14日㈰までと、9月5日㈪ ...

6

20万都市にふさわしい地域博物館を創ろう――。西東京市で今春、「地域博物館を創ろう連合会」が発足し、機運醸成を狙いに、市民へのPRなどの活動を行っている。来月3日には、国立民族学博物館の飯田卓教授を招 ...

7

多々困難経て夢の独立開業 西東京市中町の農園の一角に、キッチンカーでイタリア料理を提供する「Fiо Nuku(フィオヌク)」が6日にオープンした。採れたての旬の野菜を用いたパスタなどを、テイクアウトの ...

8

前市長の死去に伴い4月3日投開票で実施された清瀬市長選挙で当選した澁谷桂司市長(48)が、8日、就任記者会見を開いた(記事下にダイジェスト動画)。 そのなかで澁谷市長は、「住んでよかった、住んでみたい ...

Copyright© タウン通信 , 2022 All Rights Reserved.