小平でマイクロツーリズムへの挑戦

2022年10月5日

自然とアートが「看板商品」になる!?

コロナ禍で関心を集めるマイクロツーリズム(近距離旅行)で、小平から看板商品を!――来月26日㈯、27日㈰、晩秋の玉川上水沿いでアートや自然に触れるキャンプが企画されている。マルシェや軽食など、ふらりと寄ることもできるイベント。主催者は、「住宅地にある大自然を知ってほしい」とPRに力を入れている。

 

11/26、27にキャンプイベント

マイクロツーリズムは、自宅から1~2時間程度の近距離を旅行するというもの。コロナ禍で海外や地方への旅行が制限されたこともあり、「地元にも観光資源はある」と、地域を見直す動きが各所で広がっている。

そんななか、以前から「都会から一番近いプチ田舎」と打ち出していた小平市で、玉川上水とアートに着目して地域観光を盛り上げようという活動が始まっている。昨年発足した「水と緑の道アートウォークプロジェクト」で、代表の崎谷未央さんは「市を取り巻くように玉川上水と狭山・境緑道があり、ギャラリーやおしゃれなカフェ、さらに武蔵野美術大学もあって、アートにあふれている。それらが生活の中に溶け込んでいるのが小平らしさ」と同市の魅力を話す。

さらに、本業で旅行雑誌の編集・執筆に携わっているプロの目線から、「小金井公園内の江戸東京たてもの園には外国人もよく来ている。一歩足を延ばして玉川上水のウオーキングを楽しんでもらえれば、コロナ後のインバウンドにも期待が持てる」と、同市の観光のポテンシャルに太鼓判を押す。

中心になって企画を進める崎谷さん(右)と南さん。会場の子どもキャンプ場の前で

 

人との交流狙いに

まずはその魅力を地域の人たちに知ってほしいとの思いから、来月、玉川上水沿いの小平市きつねっぱら公園と、隣接する子どもキャンプ場を会場に、「ART CAMP VILLAGE(アート・キャンプ・ビレッジ)」と題したイベントを開く。こだいら観光まちづくり協会との共催。

1泊2日のキャンプは有料で予約制だが、ふらりと寄れるハンドメイドマルシェや、ロバの音楽座コンサート、ランタンワークショップなどの企画が多数ある。特徴的なのはアートのワークショップが多い点で、その狙いを崎谷さんは「これまでのイベント開催の経験から、『何をやったか』よりも、参加者同士の交流が多いほうが満足度が高くなることが分かっている。その点でもアートは、有力なツール」と話す。なお、この企画は観光庁「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」の助成を受けている。

併せて、地域の観光資源を紹介する冊子の発行も予定。こちらは今月下旬の発行になる見込みで、デザインを担当する南裕子さんは「皆さんが興味を持って、歩いてみるきっかけになれば。イベント開催と情報提供の両面で、相乗効果を期待しています」と話している。

キャンプの予約は本日5日㈬から受け付け。先着16組まで。そのほか、イベントの詳細はホームページ(https://artcamp-village.com/)参照を。

編集部おすすめ

1

屈指のアイデアマン 神山伸一さん 現役課長が隣接市の副市長に――。 小平市職員の神山伸一さん(58)が小金井市副市長に任命されることとなり、「他市からの引き抜きは異例」と話題になっている。 大抜擢の理 ...

2

1975年に誕生した携帯サンドイッチの元祖・フジパン㈱の「スナックサンド」から、3月だけの期間限定で、「東村山黒焼きそば」と「ところざわ醤油焼きそば」が販売されている。 フジパン武蔵工場(入間市)の開 ...

3

3月3日は桃の節句。女の子の健やかな成長を祝うお祭りです。起源は古代中国の「厄祓い」の行事でしたが、日本に伝えられて江戸時代以降、現在のような形になりました。 ・・・と、暦をながめていたら、「ひな祭」 ...

4

全国のハンセン病療養所入所者たちが詠んだ詩が70年の時を経て現代に蘇る――4日から、東村山市にある国立ハンセン病資料館で、企画展「ハンセン病文学の新生面『いのちの芽』の詩人たち」が開かれている。同館に ...

5

ウクライナ出身のリリア・モルスカさんと、大学を通して交流を持った武蔵野大学の岩井雅治さん、菊地里帆子さん、山岸咲亜さんの4人で製作したウクライナを紹介する冊子「ひまわり」50冊が、西東京市に寄贈された ...

6

西東京市保谷こもれびホールの愛称が「タクトホームこもれびGRAFAREホール」に決まった。市が募集したネーミングライツ・パートナーに同市に本社があるタクトホーム㈱が選ばれたもの。GRAFAREは同社が ...

7

行政書士による「SDGs研究会」が発起 昨年1月に小平市で始まった無人の不用品譲渡「Baton BOX(バトンボックス)」が、1周年を経てさらに広がりを見せている。 これは、協力店先などに置かれた小型 ...

8

西東京市向台町の圡方隆一さん・仁美さん夫妻が、このほど、自宅の一部を改築し、「8cho8ma gallery(はっちょうやまギャラリー)」をオープンする。初回の展示会は6日㈮から。「若手作家を応援した ...

9

ウクライナの郷土料理・ボルシチを毎週木曜日にランチで提供――戦時下にある同国から避難してきたトゥロベーツ・エリザベータ(通称・エリザ)さんが、西東京市役所近くの創業サポート施設「リップル西東京」で食堂 ...

10

地元の出荷工場「東京エッグ」 玉子の黄身が濃くて、食欲をそそられる――。 西東京市泉町にある玉子出荷工場「東京エッグ」が敷地内に24時間稼働する玉子の自動販売機=下写真=を設置し、近隣で話題になってい ...

11

12月9日から 最大2000円分のお買物券が当たる!?――東久留米市で、9日㈮から「ブラック・ジャック×東久留米市スクラッチ」が実施される。 市内約290店舗が参加するもので、当たれば買い物券として使 ...

12

大手コンビニエンスストア「ファミリーマート」が行うフードドライブをご存じだろうか? 全国約1900店舗で実施され、この地域でも小平市や東久留米市で取り組まれている。小平市で連携するのはNPO法人「カモ ...

13

多摩六都科学館のプラネタリウムで、19日㈯から来年1月29日㈰まで、全編生解説の「全天88星座―光が語る天球の地図―」が投影される。 地域ゆかりのアーティスト・大小島真木さんが描いた星座絵とともに88 ...

14

小平市で最晩年を過ごし、同市名誉市民でもある巨匠彫刻家・平櫛田中の回顧談が、生誕150年の節目に合わせて発行された。1965年(94歳時)に語った、生い立ちから東京美術学校(現・東京藝術大学)で教えて ...

Copyright© タウン通信 , 2023 All Rights Reserved.