電力の地産地消へ! ごみ発電でCO2排出量“ゼロ”に 東久留米市

2023年9月5日

東久留米市にあるごみの焼却処理施設「柳泉園クリーンポート」で発電された電力を、同市の公共施設で使用する――そんな電力の地産地消が、10月にスタートする。光熱費の軽減や二酸化炭素(CO2)排出量を名目上ゼロにできるメリットがあり、同市を先行事例に、今後、西東京市、清瀬市にも情報をフィードバックする予定だ。

電力供給のイメージ図(プレスリリースから転載)

 

柳泉園クリーンポートは、東久留米市、西東京市、清瀬市から出る廃棄物を焼却処理するための施設。850度以上の高温でごみを焼却処理しており、その熱を利用した発電システムを有している。発電された電力は柳泉園内のごみ処理のために使用され、残った分は電気会社に売電されている。

余剰分が年間約830万kWhほど見込まれるうち、10月から約530万kWhを市役所、小中学校、図書館など24カ所の公共施設で使用する。他地域でも実績のある日鉄エンジニアリング㈱が一旦電力を買い取り、市に供給する仕組み。これにより市の光熱費は年間約4000万円削減できる。

また、ごみ焼却の熱を利用した発電は、新たなCO2排出を伴わないため、CO2排出量ゼロとみなされるという。同市では今年3月に、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目指すゼロカーボンシティ宣言を行っており、同事業を脱炭素化の取り組みの一つに位置づけている。同事業により年間でCO2排出量を約2400トン減らせる計算になるという。

事業開始に先駆け、先月24日には、同市、柳泉園組合、日鉄エンジニアリングの三者による協定も結ばれ、その席で同組合の管理者でもある同市の富田竜馬市長は、「ウクライナ情勢や新型コロナウイルスの影響などで、電力供給や価格が不安定となるなか、再生エネルギーなども活用した分散型電源が進むといわれている。環境負荷の軽減を図りつつ、電力需給の安定に努めたい」と話し、組合を構成する西東京市、清瀬市の協力への感謝の言葉も口にした。

事業の効果検証については、今後、両市と共有していく予定でいる。

東久留米市の富田竜馬市長と、日鉄エンジニアリングの石倭行人社長

柳泉園組合

日鉄エンジニアリング

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