子どもから親に教えたい! 高2生が企画講座

2023年8月1日

「親子の仲を深める方法」「スマホから始まる親子関係」

良好な親子関係でいるためのヒントを高校生の視点から伝えたい――そんな高校2年生によるユニークな自主企画講座が、8月15日㈫に西東京市谷戸公民館で開かれる。高校生から親世代に教えたい内容とはどのようなものなのか。主催する3人に話を聞いた。

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自主企画講座「高校生の考えた親に教えたい講座 スマホから始まる親子関係」を開くのは、東京学芸大学附属国際中等教育学校に通う青山士紋さん、折井万里子さん、小西悠太朗さんの3人。青山さんと小西さんが、それぞれの企画でプレゼンをする。

青山さんのテーマは「親子の仲を深める方法」。

企画のきっかけは友人たちの反抗期。自分にはそれらしい反抗期がなかったことから、その理由を考察し、特に行動心理学の理論を元にして、親世代への提案を行う。友人たちに聞いた「親にやられて嫌なこと」のリストも提示する予定だ。

一方の小西さんのテーマは「スマホから始まる親子関係」。

4歳から約10年をシンガポールなどの外国で過ごした小西さんは、現在地元の公立校に通う弟・妹の状況を知って、日本のパソコン教育の遅れに愕然とした経験を持つ。GIGAスクール構想で生徒・児童一人ひとりにパソコン端末が配付されているが、利用の規制が強すぎて「子どもが信用されていない」と感じたという。

そこで、自身が経験してきた、親子をつなぐパソコンの活用法を発表する。

両者ともに主張したいのは「親と子が対等な関係でいること」。講座の後半では、本音をぶつけ合いたいと、参加者を交えてのディスカッションを行う。折井さんが、その進行役を務める。オンラインで、明治大学教授の諸富祥彦さん(教育心理学)も加わる予定だ。

プレゼンを練習する高校生たち。左から折井万里子さん、小西悠太朗さん、青山士紋さん

     ◇

3人の講座主催の始まりは、谷戸公民館まつりへのボランティア参加。もともと学校の教育方針でボランティア参加を促されてきた3人だが、「学校経由ではなく、自分たちの力で役立てる場を探したい」と、学校近くの青少年館を突撃訪問。「それなら児童館に行ってみたら?」などと各所を紹介され、谷戸公民館にたどり着いた。

「公民館がどういうところかもよく知らなかったけど、人生経験豊富な職員の方とも出会え、縁に恵まれた」

と3人。今春の公民館まつりでは募金も担当し、2日間で5万円が集まって感激するという体験もした。

「自分の視野を広げるには、いろいろな人と触れ合うことが大事。それには、対価を求めないボランティアが一番」

と無償奉仕の魅力を語る青山さん。

折井さんも、「人と話すことでリフレッシュできる」と同意し、「私たちの講座で語り合って、少し意識が変わったらうれしい」と話す。

今回の講座は、自分たちからも発信したいとさらに活動を広げて実施するもので、高校生による自発的な主催講座は珍しい。担当する公民館専門員の上尾信也さんは「公民館では初のケース。何といっても、企画が面白い。彼らの熱意の中で、存分にやってもらいたい」と期待を寄せる。

「当日はぜひ親子で来てほしい。若者世代が公民館に集まるきっかけになれば」と小西さん。

なお、講座は15日㈫午後2時から4時まで。9日㈬5時までに要申込。定員40人で応募多数時抽選。オンラインでも30人まで参加受付中。

詳細は同館(☎042・421・3855)へ。
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なお、同公民館では3人もボランティア参加する「学習室無料開放」が9日㈬から15日㈫まで開かれる。各日先着24人まで。小学生から高校生対象。高校生たちによる学習アドバイスも受けられる。詳細は同館(前述)へ。

西東京市谷戸公民館(イベント一覧)

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