[この町この人] 柔術の世界チャンピオン 高本裕和さん 

2023年10月31日

岡田准一、玉木宏ら有名人が参加し話題になった「ワールドマスター柔術選手権」(アメリカ開催)の「マスター4 黒帯・ライト級」で念願の優勝を果たした。小平市、青梅市で「高本道場」を主宰しながらの47歳での快挙。しかし満足することはなく、「来年は階級を上げ、できれば無差別級も――」と挑戦を続ける。

道場にて

 

幼少時から柔道をやりたかったが、「太ったら困る」と親に反対され、ようやく取り組めたのは高校生になってから。

が、年少から取り組んできた選手には、とても立ち技ではかなわない。寝技に活路を見出し、「柔道に生かせれば」と、ロシア生まれの格闘技・サンボや、寝技が磨かれたブラジリアン柔術にも取り組んだ。

サンボでは、2009年に日本選手権で優勝。世界大会にも出場し、「国内ではやり切った」の実感を持った。

そこで、徐々に活動の場をブラジリアン柔術へ。打撃のない柔術は体へのダメージが少なく、毎週のように各地を転戦した。

そのようにして国内外で実績を積むと、「柔術の素晴らしさを広めたい」との思いも募って、2017年に小平で「高本道場」を開場。年少者からシニアまで、生涯スポーツとして取り組めるのが柔術の魅力の一つと考えている。

「『体を使ったチェス』ともいわれるのですが、どの技で仕留めるかをイメージし、最初からストーリー立てて技を繰り出していくのが柔術です。その鍛錬は想像力を養い、社会生活でも役立つはずと思っています」

ちなみに、自身の必勝のストーリーは、寝転んで相手の足に両足を絡めるハーフガードからのカーフスライサー(膝固め)。20代の選手の生きの良い動きをいかに止め、仕留めるかを考え抜いた結果、自然とその必勝パターンに行きついた。年齢をハンデと感じたことはない。

自身が複数の競技を経験してきたこともあり、道場では、柔術、柔道、ボクシング、総合格闘技、ヨガ、パーソナルトレーニングなどさまざまに取り組んでいる。同じ会費でいろいろな競技をできるのが特徴だ。

「メガジムという、アメリカでは一般的なスタイルです。私たちはここを、『ちっちゃなメガジム』と呼んでます」

いやいや、実績の面でも「メガジム」でしょ!

たかもと・ひろかず 1976年山口県生まれ。ブラジリアン柔術の全日本マスター柔術選手権で17年から6連覇中。20年には、同大会の年齢制限のないカテゴリーで優勝。昨年の世界選手権では無差別級で3位。

世界大会で表彰台の中央に立った(写真は高本道場提供)

高本道場では、キッズからシニアまで入会者募集中。月会費はキッズ6600円、レギュラー(男性)1万1000円など。現在、入会金無料キャンペーン中。住所は小平市小川町1の89の12。詳細は同道場(☎080・2054・4603)へ。 

高本道場

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