元気なうちから考えたい 生前整理・遺品整理①

エンディングライフ紙上講座

田中葬祭 田中友子さんのコラム

 

今回は、2回に分けて、生前整理と遺品整理についてお話していきます。

 

まず、遺品整理を知ろう

生前整理――。

あまり使いたくない言葉ですね。この記事では便宜上使いますが、お許しください。

さて、生前整理ですが、実は生前整理を知るには「遺品整理」を理解するのが早道です。

* * *

遺品整理とは、例えばご夫婦のどちらかがご逝去され、残された家族=相続人が代わって整理を行うことをいいます。その実情を知ることにより、生前整理の必要性をご理解いただけるはずです。

ご逝去後に行うので「遺品」という言葉がつきます。家財や思い出の品などが残され、「悲しい跡」というイメージが強い方もいらっしゃるかと思います。そのせいもあり、なかなか直視されないのが「遺品整理」なのです。

 

「仕分け」の難しさ

夫婦2人暮らしだったので「物なんて大してないよ」。遺品整理に直面すると、ほとんどの方が最初にそうおっしゃいます。そしていざ整理をし始めるとすぐにその見立て違いに愕然とされます。

皆さんが見立てを誤る大きな理由は、「遺品整理」=ほとんど捨てる、と考えているとことにあります。

しかし、大切な方が愛用していたものを右から左へとすぐに捨てられるでしょうか?

 

遺品整理は時間がかかる

遺品整理には時間がかかります。その原因は「思い」と「仕分け」があるからです。

その作業を大きく分類すると「残す、売る、捨てる」です。遺品を一つ一つ吟味し、判断しなければなりません。

捨てる場合は各自治体に合わせて分別する必要があります。スプレーや化粧品などは中身を捨てる手間もあります。消費期限の切れた食品類もそうですね。

完全に家を空にする場合は、例えばピアノやエアコン、ベッドなどの大型品はそれぞれ引き取り業者が異なるので、個別に日程を合わせなければなりません。

また、カメラや趣味の品を売るなら価値が分かる業者に売るべきですが、鑑定力が弱いリサイクルショップなどに依頼すると、場合によっては数万円の価値のものが数千円から無料で処理されてしまいます。絵画やアンティーク時計なども要注意です。

いずれにしても「思い」が募り、仕分けにはどうしても時間を要します。

 

専門業者の選択も

ご高齢者宅の整理の場合、お子さんがいる方は「手伝ってもらうから大丈夫」と思われるかもしれません。

しかしお子さんは現役世代。ご自分に家庭もあるなか、毎週末実家に通うわけにはいかないでしょう。遠方に離れて暮らしている場合はなおさらです。

そこで田中葬祭では、専門業者をご紹介しています。「仕分け、鑑定、売却、リサイクル」とワンストップで受けてもらえるので、精神的にも時間の面でも負担が減ります。

 

エアコンを安全に取り外せますか?

いや業者なんてお金がもったいない……。そう思われる方が多くいらっしゃいます。

しかし、若い男性でも、大型品を一人で運べますか? エアコンを安全に取り外せますか? 毎回のトラックのレンタル代もかかります。何より、時間を失ってしまいます。

その方たちにはこうアドバイスさせていただきます。

「だからこそ、家族で一緒に生前整理をしていきましょう」

次回は生前整理を中心にお話しいたします。

 

プロフィール

田中 友子

武蔵野地域を拠点に80年以上の歴史を持つ葬祭業の老舗「田中葬祭株式会社」で、エンディングライフ総合プログラム事業部プロデューサーを務める。田中葬祭は365日・24時間受付。生前予約、事前相談なども随時行っており、最近はエンディングノートの書き方などのセミナーにも力を入れている。田中葬祭=TEL042-461-1156。本社は西東京市田無町4-18-9。http://www.tanashi-tanaka.com/

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