2018.01.10 この町この人

【この町この人】 祖国の調べを日本中に アルゼンチン人ギタリスト レオナルド・ブラーボさん(東村山市在住)

レオナルド・ブラーボさん

東村山市を拠点に世界で活動するアルゼンチン人・ギタリスト。祖国のフォルクローレやタンゴ、さらにクラシックまでレパートリーは幅広く、これまでに多数のCDやギター教則本を世に出している。コンサートもさまざまなスタイルで行っており、16日(火)には、小平市中央公民館でバイオリンとのデュオでタンゴを披露する。

 

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生まれ故郷のロサリオでギターを始めたのは、「とても遅い」という15歳。動機は「合唱部に好きな女の子がいたから」という思春期にありがちなものだったが、父の勧めで聴いた一流奏者のエドゥアルド・ファルーのフォルクローレに感動してからは、一気にのめり込んだ。

 

国立ロサリオ大学芸術学部音楽学科で学び、そのまま、今度は指導者に。24歳から36歳までの10年以上をギター講師として過ごした。

 

日本とのつながりが生まれたのは、2001年。CDのプロモーションなどでカナダを訪ねた際、語学留学していた、後に妻となる淳子さんに出会った。その後二人は、アルゼンチンで生活。同年末のデフォルト(債務不履行)に直面し、紙幣価値が急落する困難も体験した。ただ、経済困難の中で見た状況は、音楽家としての礎を築くものにもなった。

 

「食べ物のことしか考えなくなるのかと思ったら、まったく逆で、コンサートに多くの人が足を運ぶようになったのです。音楽に癒やしや救い、あるいは心の活力を求める姿がありました」

 

来日は2003年のこと。音楽でどう生計を立てられるのか何のプランもなかったが、運良く九州でコンサートを開くことができ、ギター専門誌にも注目されるようになった。以来、日本をベースに、世界各国で演奏活動を続けている。

 

来日当初は妻の故郷である福岡県に暮らしたが、「音楽活動をするなら東京に」との誘いを受け、8年前に転居した。そのときにこだわったのは「緑の豊かなところ」。今は「トトロの森」として親しまれる八国山の近くに暮らし、時間を見つけては森の中でのジョギングを楽しんでいる。

 

振り返れば、故国での安定した職を捨てて飛び出した「不安の毎日」でもあった。しかし、あの経済困難の中で見た光景のように、「安定」や金銭以上に価値があるものを知っている。

 

「こうして演奏活動を続けられるのはありがたいこと。このチャンスを生かさないのはもったいない。常に自分の最善のものを出していきたいです」

 

 

◆レオナルド・ブラーボ 1967年アルゼンチン出身、ギタリスト・作曲家。東村山市に妻と小学生の長男と暮らす。受賞歴にジョン・エドワード特別芸術賞(アメリカ・マーシャル大学)ほか。アルバム作品に「タンゴ名曲集」「ブエノスアイレスの四季」、教則本に「タンゴ名曲集」など多数。

 

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レオナルド・ブラーボさんが出演する16日のコンサートは、午後3時から。「ブエノスアイレスの午後」と題し、バイオリニストの近藤久美子さんとタンゴをメインに演奏する。2000円。

 

詳しくはファーメイ(042・308・0903、https://farmei2016.jimdo.com/)へ。