2018.04.19 この町この人

[この町この人] お産の一瞬を狙うハンター 写真家 宮崎 雅子さん(小平市在住)

「出産」を撮り続けて約30年。このテーマでの先駆者で、これまで300人以上の出産を撮影してきた。5月10日から13日まで、練馬区で写真展「Mother」を開く。
     

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 写真に目覚めたのは20代になってから。「女性であることを生かせるテーマ」を探し、助産師の存在に行き着いた。一人の助産師を追いかけ、幾つもの出産を撮影。いつしか、出産自体の面白さに惹かれていった。

 

「本能の、素のままの女性が見られる現場。さらにそこには夫や父母などいろいろな登場人物がいて、それぞれの心情が刻々と変わっていく。毎回毎回が違い、予測がつかない面白さがありました」

 

フィルム撮影の時代だったこともあり、ほどなく、「プロに撮ってもらいたい」と、注文が舞い込むことに。地方へ出掛けることも多くなり、時には、我が子を背負って出産現場に向かっていった。出産は「待って!」のきかない現場。嵐の日、雪の日に出掛けることも数度。「お産が生活の一部」という日々を送った。

 

そうして300人超の出産を見届け、一時期はNICU(新生児集中治療室)の子どもたちの撮影などもしてきたが、「命は尊い」などと主張するつもりは毛頭ない。感じているのは、「結果論として、撮れたものがすごい」ということだ。

 

「出産の感動で抱き合った夫婦が、その後で離婚していたりする。人生の場面はそのとき、そのとき。出産は野性が出る場面。その二度とない一瞬を撮るために、こちらも野性むき出しで、ハンターの気持ちでファインダーを覗いています」

 

◆みやざき・まさこ 長崎県出身、写真家。現代写真研究所で写真を学び、助手を経てフリーに。著書に『Mother いのちが生まれる』(医学書院)、『NICUのちいさないのち 新生児集中治療室からのフォトメッセージ』(メディカ出版)など。新聞、雑誌などでの連載、寄稿多数。ホームページはhttp://masakomiyazaki.web.fc2.com/Top.html
    

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写真展「Mother いのちが生まれる」は、5月10日(木)から13日(日)まで、ホワイエえこだ(練馬区旭丘1の33の10、江古田駅徒歩約9分)で開催。午前10時30分(10日は正午)から午後5時(13日は4時30分)まで。無料。13日は、ミニコンサート「いのちのうた」を午後2時から開催。小平市在住のソプラノ歌手・星美智子さんらが出演。母にちなんだ曲を披露。コンサートは2000円。12日には宮崎さんのトークショーも。詳しくは同ギャラリー03・3953・0413)へ。

 

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