2018.07.17 この町この人

[この町この人] 絵本を読むピアニスト  佐藤 恵美さん(西東京市在住)

国立音楽大学附属中学・高校のピアノ講師で、西東京市向台町の自宅でも教室を開くピアニスト。指導者として活動する一方、「音と絵本のコンサート」という独自のパフォーマンスを精力的に展開している。好きが高じて「絵本セラピスト」の資格も取得。今週末21日(土)にも、市民企画のイベントで「絵本と音楽のワークショップ」を行う。


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ピアノを始めたきっかけは、「同じ誕生日に誰がいる?」という小学校での課題。シューマンがいることを知り、どんな人? 音楽家? どんな曲を作ったの? と興味が広がり、「トロイメライ」に魅せられて習い始めた。

 

みるみる才能を開花させ、中学から国立音楽大学附属校へ。同大学院を首席で卒業し、国際ロータリー財団奨学生としてドイツに留学もした。

 

かの地で衝撃を受けたのは、人々の生活に音楽が根ざしていること。教会、老人ホーム、町の集会所とさまざまなところから声がかかり、時には伴奏、時には独奏を求められた。

 

同じ光景を日本でも――。そんな思いで帰国後は、会場の大小を問わず、町の中でどこででも弾いた。乳幼児とママたちのための定期演奏会を開いていた時期もある。 状況が変わったのは、父の介護が始まってから。日常に余裕がなくなり、学校と自宅での指導だけで手いっぱいとなった。

 

そんなときにふと手が伸びたのが、子どものときに大好きだった絵本だ。心癒やされている自分がいることに気づき、「もしかして、大人も絵本を必要としているのでは?」と絵本セラピーの講座に通い出した。

 

「知識偏重の社会で、パソコンやスマホで映像もあふれている。そのせいで人々はイマジネーションの力を失っていると思います。イマジネーションを生むのは心。心を豊かにするのに、絵本や音楽はぴったりです」

 

絵本と音楽を組み合わせた独自の舞台は、「くるみ割り人形」を音楽で表現してみせたり、絵本のページの合間に小曲を弾いてみせたり。イメージを膨らませる演出は、大人や子どもの対象に合わせて、自在に変えている。

 

「いろいろな人に出会えるのは、私にとってより良い演奏、指導のために必要なこと。絵本と音楽を通して、これからも多くの人と交流していきたいです」

 

◆さとう・えみ 7歳から西東京市在住。国立音大などの成績優秀者に贈られるクロイツァー賞受賞者。ドイツ・デトモルト音楽大学大学院を最優秀で修了。向台町で開くEmi  Piano教室では4歳から80代まで幅広く指導。認知症予防音楽体操士として定期的に音楽体操の指導も(次回は24日(火)午後2時から「仙人の家」で)。教室への問い合わせはemiehon@gmail.comへ。


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 佐藤さん出演の「絵本と音楽のワークショップ」は、21日午後2時から、同市田無公民館で開催。「都市計画道路  田無3・4・7を考える会」が公民館市民企画事業で企画実施のイベント。佐藤さんは、自然環境の大切さなどを絵本や音楽で表現する予定。詳しくは藤川さん(042・461・0188)へ。