七十四、腰痛の鍼

医針伝心

土居治療院 土居望院長コラム

 

今、腰痛に悩まされている人の大半は、病院でいろいろな検査を受けています。

MRIなどは、見事な説得力のある画像を映し出します。そこで付いた病名が腰椎椎間板ヘルニアとか変形性腰椎症などさまざまです。

 

MRI診断が絶対に正しいのか

では、あなたの腰痛は本当にこれらの異常が原因なのでしょうか。

西洋医学は素晴らしいテクノロジーを持っています。しかし、その半面、あなたの体の中で実際 に起こっていることを、画像の中でしか見ないという弱点も持っています。

腰痛は無いけれどたまたま検査をしたら背骨や椎間板に強い変形が有るという人は大勢います。つまり、背骨や椎間板の異常イコール腰痛という因果関係は簡単には成り立たないのです。

 

本当の痛みの原因が別のところにあることもある

鍼の鎮痛効果は古くから知られています。

例えば、椎間板ヘルニアと診断を受けていた人が、急に激しい腰痛を発症した。腰部を触診し椎間関節部に強い圧痛がみられたならば、その、椎間関節に向けて極めて細い鍼を軽く入れます。その時、痛みが急に緩和すれば、MRIの画像がどうであれ、名医が何と診断しようとも今の痛みの本元は椎間関節の異常にあったのです。

背骨や椎間板の異常は老化現象だからとあきらめている人の中にも、本当の痛みの原因が全く別の所にある人は大勢いるのです。

 

プロフィール

土居 望

「土居治療院」院長。開業37年で、治療した患者はのべ20万人以上。鍼灸師卒後臨床研修指導員。ツボや鍼灸への研究を続けており、独自の治療観を持つ。著書に『鍼灸の奥義、あなたもツボ治療の達人になれる』(青萌堂)、『東洋医学ノート』(法研)がある。TEL042-475-9375。東久留米市東本町13-2。

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