黄斑前膜の手術

街かど診療室

保谷伊藤眼科・伊藤勇院長のコラム

 

歪みが生じ、視力低下も進行していくようであれば、手術の適応時期と考えられます。

現在、多くの専門施設では極小切開硝子体手術で施行できます。具体的には、普段病院で採血する針より細い針で眼球に3~4カ所穴をあけて、眼球内に入ります。眼球内の硝子体と呼ばれる粘性、凝集性の強いゼリーを除去して、眼球の一番奥底の黄斑部にアプローチできるようにします。

膜などは透明なので、可視化できるように工夫をして、網膜に付着している黄斑前膜を極細の鑷子(せっし)で丁寧に剥がしていきます。

膜の増殖反応が強そうであれば、網膜の最外層である内境界膜(網膜は実は10層構造なのです)も剥がすことで、黄斑前膜の再発は防げるといわれていますが、この内境界膜を剥がすことと剥がさないことに差があるか否かは、研究結果がまだ一定していないため、ケースバイケースで術者にゆだねられる状況です。

剥がし終え、眼球内に異常がないことを確認したら、眼球に刺していた針を抜いて終了です。

 

体への負担は小さくなっている

以前は直径1ミリの穴のために縫合が必要でしたが、現在は直径が0.5ミリ以下のため、縫合しなくても問題ない場合が多いです。

硝子体手術は以前と比べこの10年で大きく改善され、侵襲が少なく施行できるようになりましたが、やはり人間の体に対する手術ですので、リスクも伴います。

各々違いますので、手術の際は医師にリスクを説明してもらうことをお勧めします。

プロフィール

伊藤 勇

「保谷伊藤眼科」院長。大学病院で最先端の眼科医療に携わった後、同院を開業。白内障等の日帰り手術のほか、網膜硝子体疾患手術、緑内障手術、眼科一般診療などを幅広く行っている。公式ホームページ:http://www.itoganka.com/

2023/8/23

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2022/11/2

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2022/9/5

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